内容説明
中国四大奇書の一つである『水滸伝』は、百八人もの魅力あふれる好漢たちが活躍する痛快な物語が読む者の心を掴み、古来より日本人にも愛されてきました。そんな『水滸伝』の壮大なストーリーの中から厳選されたキーワードを抽出し、多様な角度からその波瀾万丈、起伏にとんだ物語展開の妙味を探ったのが本書です。いざ、『水滸伝』の新たな魅力発見の旅へ―。
目次
序章 『水滸伝』について
第1章 「豪傑たち」をめぐって(豪傑と酒;女将と悪女;快足と刺青 ほか)
第2章 「梁山泊」をめぐって(梁山泊のリーダー;梁山泊の軍師‐呉用;山の砦 ほか)
第3章 「『水滸伝』の魅力」をめぐって(出会いと伏線;『水滸伝』の時間 ほか)
著者等紹介
井波律子[イナミリツコ]
中国文学者。1944年‐2020年。富山県生まれ。京都大学文学部卒業後、同大学大学院博士課程修了。国際日本文化研究センター名誉教授。2007年『トリックスター群像―中国古典小説の世界』で、第10回桑原武夫学芸賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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広瀬研究会
4
全百回のテキストに108人の豪傑が登場する『水滸伝』の、物語の構成やキャラクターの分類、ストーリーのパターン等々がわかりやすく解説されていて楽しめる。潮出版の本なんで横山光輝の漫画を図版として使っているのが贅沢です。2021/01/01
うろっくす
1
井波先生の水滸伝入門書。横山水滸伝が読みたくなる一冊。2021/01/07
鴨の入れ首
0
水滸伝の初心者向け解説書です。「一騎打ち」や「トリックスター」など、様々な視点から水滸伝を分かりやすく解説していました。水滸伝のストーリー考察だけでなく、時代背景から中国大衆への受容経緯まで書かれていて、水滸伝とは大衆文学でありながらかなり奥が深いのだなと思いました。大変興味深く、面白く読めました。2024/09/23