内容説明
宗教的考察から、ポロリ事件そしてキラキラネームまで知れば知るほど深遠な大相撲の世界へようこそ!
目次
1章 「神」と共にある世界(土俵という聖域―なぜ大相撲は摩訶不思議なのか?聖域を理解する知性と品性;花道―髪に花をさした力士たち 花道は「霊気」の通り道 ほか)
2章 人間社会とどう折り合う?(一門―日本相撲協会は普通の組織体か!?「貴の乱」と波乱の理事選;横綱審議委員会―協会の言いなりか?女性初の委員誕生の舞台裏 ほか)
3章 くやしかったら強くなれ(番付―実力だけを評価する世界 くやしかったら強くなれ;格差―あらゆる場所に定められる格差 憧れの大銀杏と土俵入り ほか)
4章 時代に応じた離れ技(相撲茶屋―心ときめく異世界への入口 角界を揺るがせた理事長の割腹事件;四股名―キラキラネームの力士たち 今に伝わる四股名の系統 ほか)
著者等紹介
内館牧子[ウチダテマキコ]
秋田県生まれ。武蔵野美術大学卒業。三菱重工業に入社後、13年半のOL生活を経て、1988年に脚本家デビュー。テレビドラマの脚本に「毛利元就」「ひらり」「私の青空」など多数。2000年から10年まで女性初の横綱審議委員会審議委員を務める。06年、東北大学大学院文学研究科修了。05年より同大学相撲部監督に就任し、現在は総監督(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鉄之助
276
なぜ相撲が国技となったのか? 花道の由来は? 九州場所だけ、横綱が敗れてもなぜ座布団が舞わないのか? 天皇賜杯の裏側に刻まれた製造年が、「大正十六年」。存在しない年号の謎、などなど興味深い「不思議」が提示され、すっきり解答、腑に落ちる。大相撲の奥深さがよく分かった。女性初の「横審」を10年勤め、東北大の大学院や、相撲教習所で相撲の歴史を学んだ内館さんならではの好著だ。世代交代の大波に洗われそうな大相撲。いまこの時期に、読んでおきたい1冊だ、と強く思った。2022/01/24
ナイスネイチャ
132
図書館本。大相撲ファンではないのですが、楽しく拝読。国技として守るべき伝統・文化。外国人力士が理解出来ない神道的な儀式とかは世間もどう考えるかはありますが、私は著者の意見に賛成したい。2019/05/18
佐島楓
72
面白かった。面白かったけれど、それは私が大相撲ファンだからそう思うのであって、大多数のかたにはマイナーな情報だろう。究極の実力・階級社会であることや、女人禁制のしきたりを今の時流にそぐわないと忌避されるかたもいらっしゃるのだろうが、そこを緩くしてしまうと大相撲は大相撲でなくなってしまうと私は思っている。ファンほどその思いは強いのではないだろうか。2018/09/18
メタボン
49
☆☆☆☆ 内館氏の相撲に対するリスペクトが半端ない。単なる毒吐きかと思っていたが、きちんと伝統を踏まえての発言に敬意を表したい。相撲の格差社会を垣間見たり、髪に花を挿して入場したから「花道」と呼ばれるようになったこと、手刀は右手で左・右・中と切ることなどを知って、面白かった。また天皇賜杯の大正16年4月29日のミステリーも興味深い。2020/01/06
のびすけ
37
内館牧子さんは2000年から10年まで女性初の横綱審議委員を努める。審議委員を努めるに当たり、東北大学の大学院に入り相撲史を学ぶ。本書はその時に学んだ相撲史をベースに、大相撲の歴史や仕来り、小ネタについてまとめられている。横審時代の裏話や暴露話、「相撲界に物申す!」的な、内館さんならではの話しを期待していたが、そういう内容ではなかった。2020/11/01