出版社内容情報
俳人・歌人の久保より江(1884-1941)の波乱万丈の半生を、名筆家・出久根達郎が情緒豊かに描いた長編小説!漱石センセに恋い焦がれた少女時代、漱石の妻・鏡子との奇妙な絆、正岡子規から学
んだ俳句、そして生涯の伴侶・久保猪之吉との出会い──。
「センセ」はどんな人なのか? 鏡子夫人は本当に「悪妻」だったのか?
より江から見た、知られざる「夏目漱石」がここにある!
松山に住む美少女が、漱石、鏡子、子規、高浜虚子、柳原白蓮らとの出会いや別れを通して、やがて大人の女性へと変貌を遂げていく。
出久根達郎[デクネタツロウ]
著・文・その他
1 ~ 2件/全2件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイ
100
四国時代の下宿先の少女が語る漱石。少女は実在した人。自分なりの漱石像がある人には、少女の語る人物を漱石として読むのはしんどいかも。2022/03/10
がらくたどん
28
今まで「何はなくとも夏目漱石」ほどのファンではなかったのだが最近なぜか漱石を再読する流れに到る事が多いため漱石関連小説の中でも胸キュン(死語?)度が高いと思っている本作でヤル気アップを図る。漱石の松山時代の下宿先の娘さんが語る漱石とその周辺。子規・虚子・寅彦と有名どころも登場するが文豪ベースの列伝ではない。幼少時は「センセ」に憧れチョッピリ大人になったら素敵な恋を純粋に貫く「より江ンジェル」ちゃんの甘く切なく逞しい成長物語。中高生が明治文豪作品を読む際にこんな文豪モチーフ小説も併読したら親しみが湧くかも。2021/10/16
えも
21
漱石が松山時代に下宿していた家の娘が主人公。正岡子規やら高浜虚子やら寺田寅彦やらが登場する、漱石愛に溢れた、肩肘凝らない爽やかでホンワカとする小説でした。2021/06/12
カリン
11
前半は漱石とより江のやり取りが楽しいが、後半はより江が大人になってきて、自信の恋愛や漱石の妻とのやり取りが主になる。前半の漱石がかわいらしい。2018/08/25
Ryoichi Ito
6
非常に面白かった。明治17年生まれの実在の女性・久保より江の少女時代から新婚時代までの成長物語。漱石夫妻との付き合い,夫との恋愛が主テーマだが,より江が私の故郷・新居浜で育ったことに驚いた。彼女の母が新居浜で生まれ,別子銅山の鉱山技師と結婚したからだ。出久根の文章は読みやすく,一気に読んだ。2018/09/20
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