内容説明
五十両の大金が入った財布を拾ったばかりに…朋乃に襲いかかる災難。意表をつく展開の結末は―。
著者等紹介
山本一力[ヤマモトイチリキ]
昭和23(1948)年、高知県に生まれる。都立世田谷工業高等学校電子科卒業。会社員を経て平成9(1997)年に「蒼龍」で第77回オール讀物新人賞を受賞。12年に初の単行本『損料屋喜八郎始末控え』を上梓。14年には『あかね空』で第126回直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ぶんこ
40
跡取りを産まない女房は・・・いつの世も理不尽な仕打ちは尽きぬものよと、いささか読む気がしなくなったりもしました。 静江さんの大らかさ、度量の大きには脱帽です。 朋乃さんも賢すぎ! 最後の朋乃さんの大岡裁きには、正直共感出来ませんでした。 罪を償わせないと、心ある罪人は一生苦しむでしょうし、今回の正悟さん、拓二郎さんなら同じ罪を繰り返すでしょう。 なんだかなぁの終わり方で残念。2015/01/26
紫綺
33
いつもの山本節に、ページを繰る手が止まらない。初めは「おしん」のように苦境からの脱却、お江戸ドリーム的な話かと思っていたが、少々違った。締めはほんのり心温まるオチで、読後感まあ良し。ただ、ほとんど午前中の出来事を、333ページまで広げるのはどうかと思うよ。お茶、飲み過ぎでしょう。2011/09/26
jima
13
財布を拾った青物の棒手振の朋乃の話。物足りない感じ。2014/01/19
σ(-。-)
13
長い一日。朋乃が強くて、かえって、ちょい切ないかも。なんだろうね〜。2013/05/02
onasu
11
ホロリとする台詞と、胸のすく啖呵。健気なおなごと、分別を弁えたおやじ。こうこなくっちゃ、江戸っ子を描いた作品たあ、言えねえなあ。てな、江戸人情の要所をおさえた一冊でした。 大川の川開きを翌日に控えた日の明け方、青物棒手振の朋乃は、海辺橋で縞柄の持ち重りのする財布を拾ってしまった。自信番に届ければ、朝の商売に支障をきたすが、手にしてしまったからには致し方ない。そして、届けた財布からは…。 昔から日本人が好きな話しです。それと、お話の大半が、その日の明け方から昼過ぎまで、てのも物珍しかったです。2012/12/09