出版社内容情報
背水の陣
曹操は二十万の兵を率いて漢水に迫った。黄忠は魏軍の食料庫に火を放った。曹操が攻撃してくると、趙雲はただ一騎で吊り橋の上に立ち魏軍に大損害を与えた。
魏軍は背水の陣をしいた徐晃が敗れると、副将・王平が大敗の責任をかぶりたくないと蜀軍に降った。曹操自らが出陣すると、孔明は夜襲に兵糧攻めをしかけ、魏軍を追いつめる。曹操は撤退の時期を誤り、自らも矢傷を負い、逃げ帰った。漢中を平定した玄徳は漢中王を名乗った。
魏と呉が手を結び、ケイ州を狙うが、関羽の先制攻撃に樊城は手痛い打撃を受ける。陸口の守将・呂蒙は孫権にけい州攻めを買って出る。陸ソンは、呂蒙に関羽を油断させる策を提案した。
目次:
趙子龍/一騎馬武者/背水の陣/心理作戦/智者は智に溺れる/曹彰/鶏肋/魏軍敗走/漢中王/魏呉不可侵条約/烽火台/柩/南安の龐徳/死場所/名医名患者/建業評定
三国志関連地図
三国志通講座⑲「猛将」 井波律子(国際日本文化研究センター教授)
「蜀犬、日に吠ゆ」の国をゆく 奥島孝康(早稲田大学教授)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kagetrasama-aoi(葵・橘)
34
「三国志」第二十巻。『漢中王劉備』いよいよ劉備が”漢中王”を名のる!ここらへん、孔明の策が尽くはまって、読んでいて気持ちいい!心配なのは関羽の怪我(;O;)。ここで華佗が登場、医者の祖として中華風ファンタジーではお馴染みの名前、「三国志」ってホント後世の物語に言い尽くせない源になっているんだと染み染み実感。2023/02/04
くぅ
29
龐徳とか関羽の忠義は凄いなぁ。覚悟が伝わる。目指す道や考えが定まってると何かあってもそこで狼狽えたり、行き当たりばったりにならない。これをみつつ曹操をみると、欲深さや機転は凄いが定まっていないなぁ、子供みたいな人なんだろうなぁなんて思ったり。2020/06/20
Squirrel
10
趙雲のウインクが可愛らしい。曹操、口元に矢が当たっても歯が折れただけで済むとは、悪運強し。私生活が殆ど出ないので、急に大きい子どもが出てくることにビックリしたりする、奥さんと子どもいたんだぁみたいな。そして、楽しみにしてた華佗登場、関羽に外科的処置。2011/05/16
ふうてんてん
4
関羽が久しぶりに活躍していてうれしい。龐徳との戦い、そして龐徳の死に様もよかった。玄徳が漢中王となり、魏国と対等っぽくなってきて楽しみなところです。しかし、関羽の怪我とその後が心配。2016/04/16
今日は決算前
3
◎ 横山光輝による漫画三国志。この巻は、劉備対曹操による漢中争奪戦が描かれており、その争奪戦に勝利した劉備は漢中王になる。その戦いには関羽は登場しない。漢中を手に入れた蜀を警戒する魏と呉が手を結び、関羽が守る荊州を襲う。その荊州での戦いの序盤が描かれているが、序盤は関羽の思い通りに進んでいる。この時期が蜀、そして劉備の絶頂期である。これから蜀の苦しい戦いが始まる。【図書館本】2022/01/15