内容説明
一人の生きた人間をかけがえのない存在として受けとめる対話。
目次
なぜ、叱ってくれないの?(大平光代)
家族のつながりが開く未来(中西進)
子どもは「マニュアル主義」では育たない(柳田邦男)
心の拠り所を求めて(山折哲雄)
学校は楽しいところになれるか(秋山仁)
心の教育を考える(有馬朗人)
T字型人材のすすめ(野依良治)
こころとからだ、今むかし(養老孟司)
宇宙時代、日本人の歩き方(毛利衛)
著者等紹介
河合隼雄[カワイハヤオ]
1928年兵庫県生まれ。京都大学理学部卒。同大名誉教授。京大教授、国際日本文化研究センター所長を経て、現在、文化庁長官。臨床心理学者・心理療法家。スイスのユング研究所に留学、日本人初のユング派精神分析家の資格を取得。2000年、文化功労者
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
B.J.
5
●海で写生している子供を担任が、「あの子は、ちっとも書かない」「どうしてかかないの?」「こんなに大きい海だから、この画用紙には入らない。」といって海に見ほれている。感性の高い子供である。 ●暴れている子に言わせると、せっかく中学に入ったのに誰も名前を覚えてくれないし、いつも馬鹿とかコラとか言われるだけだと。つまり、個人として認めろと言っている。ですから名前を呼ぶだけで暴れる子は減ります。・・・本文より2020/02/27
オカヤン
2
河合隼雄さんと、9人の著名人との対談本。「こどもを叱って言うことを聞かない時やうまくいかないときはたいてい、大人が間違っています。悪いことをして、しかられて、成長する子供が望んでいるのは話を聞いてほしいだけなんですよ」子育てでも、教えるだけじゃなくて、育てることが抜けているんじゃないか、と反省しきりであります。2015/10/04
May
2
体調に左右されるんでしょうか?再読しても、上手く読み込めない。短い対談でも、非常に興味深く読み返してしてしまうケースだってあるのに残念。暫くしてまた手にとってみたい。そうは言いつつ響くフレーズはありました。「自分の好きなことをやって何事かを成し遂げるのが自己実現だと思われている。そんなのは自己実現じゃない。自我実現だと私は言うんです」「教育というのは教と育の二つがあるけれども、ほとんどが教師で育師がいない・・・心は教えるものではなく、育てることが大切なので、心の教育において「教」はほとんど意味を持たない」2011/06/23
時折
2
今の日本の風景を河合さんはいろいろなレベルで深くとらえておいででした。アトム化した神なき私たちを救ってくれるのは、私でしかなく、隣人でしかない、震災後の荒涼に垣間見える希望の灯としんと響応します。2011/05/18
半木 糺
1
対談時期が少年犯罪や、「心の闇」といった問題がクローズアップされた時代であったので、内容もそれを反映したものになっている。養老孟司との対談で「こころの手入れ」なる言葉が出てくるが、これは非常に良い表現である。2014/12/28
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