出版社内容情報
紀信、劉邦の影武者たることを明かす。
「はっははは、わたしは漢王ではない。漢の大将紀信だ! 主君になり代わりここに来た。本日の作戦は大成功であった。愉快、愉快」
虞子期は計略にかかり、項羽に范増が劉邦と内通していると報告する。
項羽に疑われた范増は、引退して故郷に帰る途中、病に倒れて憤死した。
反省した項羽は、軍容を整えて滎陽城攻撃を開始する。落城は間近に迫った。
陳平の策によって紀信が劉邦の影武者となり、降伏を申し入れて項羽の陣に向かう。劉邦はその隙に城を脱出した。
項羽は龍且と季布に劉邦を追わせるが、劉邦は成皐城に逃げ込む。
楚軍の滎陽城総攻撃が開始される。
目次:
故事に習う/影武者/ニ君にまみえず/反逆のすすめ/決死隊/節義に死す/楚軍撤退/韓信の失態/反攻作戦/奇童/少年説客/罵倒作戦/ニ城と十七城/功を競う/釜ゆでの計/無敵軍団
付録
項羽と劉邦関連地図
項羽と劉邦ビジュアル 項羽と劉邦が睨み合った広武山の楚漢二王城を行く 文/後閑英雄 写真/浦充伸
韓信おぼえ書き 雑喉潤(名古屋芸術大学短期大学部教授・中国文学研究家)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
財布にジャック
30
もう項羽にはついていけません!あの父親がわりのような范増を裏切り者として追放しちゃうなんて、絶対に許せません。范増は仕える主人を間違ったと死ぬ間際に後悔していました。あんなに尽くしてこの結末は悲しすぎます。今回敵将をに処刑するシーンに、釜茹でする場面が2回も出てきますが、釜茹でって嫌ですよね。周苛が項羽に、そして酈食其が斉王に釜茹でにされました。2010/12/03
べる
15
計略にかかって項羽に疑われた范増は帰郷の途中で病に倒れて亡くなる。今まで項羽に振り回されながらも忠誠を尽くしてきたのに。項羽は失くしてから気づいても遅い。なぜ漢兵は劉邦のために喜んで死ねるのか、と思うのも項羽自身が自分の臣下を大事にしてこなかったからだろう。韓信はオフモードを劉邦に見られて処罰されてしまうかと思ったが、張良が「小事で大事を計ってはなりません」と誅して良かった。劉邦は敵の力の方が上だと見ているから、しっかり作戦を立てて結果を出せるのだと思う。漢の説客は一人で功績を上げようとしたから失敗する。2021/11/15
とんかつラバー
8
相変わらず暴君の項羽であるが、范増の死はさすがにこたえたようだが切り替え早っ!鬼のような強さで戦い、占領した外黄の15歳以上の男子全員生き埋め事件(未遂)ほんとこの人ブレないな。魏豹は見事なまでに何一ついい所のないやつだった。一方劉邦と韓信にはすれ違いが生じる。韓信ってもっと孔明的なキャラと思ったけど、けっこう俗っぽい。脇キャラなのに斉王の衣装がやたら派手でイケメンである。2021/11/02
YHユニコーン
4
范増は、劉邦の方が主人に相応しいとわかって項羽に仕えてきたのに、項羽の最後の仕打ちは無念だったろうな。2016/07/08
瀑布
2
劉邦の逃げっぷりはピカイチ2020/02/25