出版社内容情報
名軍師張良、劉邦につく。
「それがし常々、韓のために仇を報じたいと思うておりました。今日沛公(劉邦)にお会いし、沛公に従って秦を滅ぼしたいとの念を強く抱きました」
范増は項羽に、敵の夜討ちに備えるよう進言し、楚軍は四方の山間に兵を伏せると、秦軍に四方から襲いかかる。章邯は血路を開いて李遇の陣へ逃げ込んだ。
范増は、章邯が本陣の外に兵を伏せてあると読み、伏兵に伏兵する策で裏の裏をかく。
章邯はわずかの部下と共に落ちのびていった。
楚軍の勇猛さは天下に広まり、諸侯が続々と項羽の軍門にはせ参じた。その頃、咸陽では趙高が丞相の李斯を謀反の罪で捕らえ、一族を皆殺しにしていた。
目次:
夜襲/常勝将軍/権力の亡者/馬と鹿/内憂外患/章邯降伏/東西の道/麗食其/張良を借りる/殺戮軍団/洛州の潅嬰/趙高の反乱/秦王子嬰/趙高の最期/嶢関攻防戦
付録
項羽と劉邦関連地図
項羽と劉邦ビジュアル1 串木野市に出現した巨大な徐福像 文/後閑英雄 写真/浦充伸
漢覇二王の旅 川本喜八郎(人形美術家)
項羽と劉邦ビジュアル2 咸陽宮と阿房宮を訪ねて 文/後閑英雄 写真/浦充伸
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
財布にジャック
38
ついに名軍師・張良が、劉邦につきます。そして、この巻では「馬鹿」という言葉の語源がわかって興味深かったです。この語源のエピソードのもととなるあの悪の象徴のように描かれていた趙高が殺されて、なんだかホッとしてしまいました。又、巻末には先日亡くなられた人形美術家の川本喜八郎さんの史跡巡りエッセイが載っていて、とっても得した気になりました。2010/11/15
べる
14
夜襲するだろうから眠っている様子に見せかけたり、伏兵を伏兵する作戦をとるなど裏の裏をかく范増はすごい軍師だ。秦の丞相になった趙高は権力への執着と残忍性が異常でかなりの悪宦官として描かれていた。鹿を馬ではなく鹿と言った者が全員殺された話から「馬鹿」という言葉が生まれた。項羽と劉邦はくじで決めた東西の道から咸陽を目指す。劉邦は優しい方だという噂から血を流さずに降る者が多く、人間味に惹かれて心強い味方を次々につける。項羽は敵に恐怖を与えて戦う前から逃げ腰にさせようと試みるが、逆に相手の抵抗を招く結果となる。2021/11/08
T K
13
宦官、趙高の権力欲と強烈な自己保身があったからこそ、残忍さと馬鹿という言葉が生まれたのだろう。項羽と劉邦のレースも始まり、2人の人間性が今後にどう影響するか‥趙高のようにはならないで欲しい。2014/05/12
とんかつラバー
5
趙高の暴政は止まる事を知らず「馬鹿」の語源となる有名なあの事件が起こる。ついに皇帝すら命を絶たれ、新しい秦王に子嬰が立てられる。しかし彼は趙高の奸計を見破り、ついに趙高を打ち取る。この巻のダイジェストはやはり趙高。中華史上悪人は数多いが、趙高は上位ランクイン確実だ。2021/10/09
まいつん
4
あんなに頑張って中華統一した秦が、権力に溺れた趙高のせいによってこんな形でボロボロに滅んでいくなんて。。悲しすぎるー泣!歴史にIFはないけど、もし趙高がいなかったら。。もっと有能な側近がいればどうなっていたんだろう、と考えずにはいられない。それにしても趙高の権力に対する執着心がえげつない。でもそれを見抜けなかった始皇帝の落ち度である。それと中華統一後の構想をちゃんと描ききれなかったことも滅んだ要因なのかな。今1番したいこと→西安に行って兵馬俑を見ること!2020/06/09
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