内容説明
コルシカの一青年士官からフランス皇帝となって全欧州を制覇し、ついにはワーテルローの戦いに敗れるまでの、波瀾に富んだ一生は、そのまま一編の大ロマンであった。多感な革命児の生涯とその人間像を描く。
目次
序曲 虹を追う少年
第1部 前進!(逆境の日々;明暗交錯;蛟竜池を出ず ほか)
第2部 王冠(玉座に登る;天馬空を行く;栄華の絶頂 ほか)
第3部 巌上の悲劇(絶海の孤島;天日黯澹;荘厳なる落日)
第4部 ナポレオン論(人物;人間)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
wiki
6
どうも今、英雄譚を見る力がない。英雄の心は英雄の心を抱くものにしかわからないようなもので、一人の波乱万丈をただ静観するだけのように読んでしまったのは鶴見先生に申し訳ない。どんな英雄も功罪はある。著者はナポレオンに心酔しながらも、正しく功罪を描き出そうとした点に本著の良さを感じる。この大天才たる人物の生き様と人生を知って、なんとするか。ナポレオンは自己に対する悟りの如き確信があった。はて自分はと思うと果てしなく違う次元にいるように思えてならない。高校生くらいの、血気盛んな時に読んでたら人生違うだろうなあ。2018/03/28
Ryuji
3
★★★★☆「ナポレオン」名前は当然知っているが、その生涯については全く言っていいほど知らなかった。生涯を追った歴史本であるが、この手の本にありがちな難しい記述もなくとても読み易い本であった。元々西洋史にはそれ程興味がある訳ではないが、フランス革命などもっと詳しく知りたくなった。 それにしてもこのナポレオンという人物凄い人だなと思う。日本の歴史上の人物で当てはまるような人が見当たらない。それだけの人物だからこそ一時といは言え、ほぼ全欧州を制覇したのだろうが。2015/01/02
shiggy
2
面白いのは面白いけど、ちょっと古過ぎた。2017/05/22
刮目相待
2
ナポレオンの生涯は、史劇にできるほどの波乱、喜劇にできるほどの栄光、そして悲劇としかいえない最期がある。 陰湿な……まるで松永秀久の狡猾さと徳川家康のような腹黒さを持つフーシェのキャラクターがナポレオンの快活さを引き立てている。それに何よりも、ゲーテとの対面は感動である。この二人の天才が一つの目的のために結ばれたならば、世界はどのような姿になっていただろうか。しかし、それは空想での楽しみでしかなく、実現しなかった。 作者はプルターク英雄伝も訳していますし、ありったけの伝記を読みあさった2011/10/02
Toshiya TSURU
1
“「おれはいつでも働いているのだ。俺はうんと考えるのだ。俺がなにごとが起こっても困らずにすぐに善処するのは、偶然ではないのだ。おれはどんな小さい仕事をするときでも、長いあいだ考えて考えぬいたあとでするんだ。おれのみみにとっさによい知恵をささやいてくれる守り神様なんていないんだ。おれは食事をしているときでも、芝居を見ているときでも、間断なくいろいろなことを心のなかで、あちこちから、考えて考えて練りにねっているのだ。夜中でもおれは飛び起きて仕事をするのだ」”2018/01/03
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