出版社内容情報
龐統から劉璋を殺すよう命じられた魏延は、酒宴の席で剣舞を始めたが、蜀の将たちも剣舞に加わって危険な雰囲気となる。玄徳はこれを叱りつけた。
おりしも劉璋のもとに、張魯が葭萌関に攻めてきたとの報告があり、劉璋の頼みを受けて玄徳は葭萌関に向かう。
孫権はその隙に荊州へ攻め入ろうとするが、母に反対されたため、妹に母が急病ゆえ帰国するよう密書を送った。
夫人は阿斗を連れて呉へ帰ろうとする。趙雲はそれに気づいた。
目次:
剣の舞/掌中の珠/曹軍南下/日輪の夢/三つの策/武人の護り/紫虚上人/抜け駆け/湖の底/落鳳坡/引き潮/破軍星/草刈り/誘引の計/援軍到着/金雁橋
〔付録〕
三国志関連地図
劉備の益州占領コース
三国志ビジュアル 関帝廟を行く(神戸編) 文/平井徹(慶應義塾大学大学院生) 写真/浦充伸
矛盾のマネジメント術―毛沢東と『三国志』 高野孟(インサイダー編集長)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
どぶねずみ
31
蜀の謀だと知ってか知らずか、政略結婚した奥方よりも若君を必死に守ろうとする部下たちの服従ぶりには圧巻だ。蜀の今後も気になる。自分の目でしっかり下見をする孔明にも脱帽。いくらでも下級兵にでも指示できるだろうに、自分のすることに自信と責任をそういう小さなところから築いていっているんだな、この人は。龐統のように嫉妬というつまらない邪念で命を落とすという失敗談も含め、三国志がビジネスに通用するって、こういうことなんだろうな。2020/03/24
黒猫
18
この回、劉備の野望が露になる。劉備が昔から好きになれない。それは漢の再興の為とか、天下万民の為とか言っておきながら軍師孔明に言われ、何の問題も起こしていない平和な蜀に攻め入り、劉璋が愚かなためにそれに替わり新たな国を作り上げるという自己チュー的な義心にまったく賛同出来ないからだ。それでいながら、次々と劉璋の配下が劉備の部下になっていくのも何か違和感を感じる。私は劉備のサークル的な感覚よりも曹操の規律に基づく主従関係のが好きだ。唯一劉備に最期まで抵抗した張仁がこの回の裏主役なのではないかと思っている。2019/12/19
選挙ウォッチャーちだいそっくりおじさん・寺
14
劉備が蜀に在る間に荊州を盗らんとする孫権の策略に引っ掛かる孫夫人の帰国。趙雲張飛の登場で跡取り奪還。曹操は孫権にやたら負ける。そして劉備も珍しく苦戦。孔明への嫉妬で命を落とす鳳雛先生。孔明張飛も蜀に現れ少しずつ事態は好転。しかし最後の最期迄、劉備に靡かぬ張任の姿はなかなかのもの。楠木正成や真田幸村、土方歳三みたいな奴だ。斬首ながら天晴れ。解説は高野孟。15巻の吉岡忍といい、この文庫の解説は野暮なのが多い。2012/01/11
reeree
11
[http://mediamarker.net/u/reeree/?asin=4267014574] ・「剣の舞」 ・「掌中の珠」 ・「曹軍南下」 ・「日輪の夢」 ・「三つの策」 ・「武人の護り」 ・「紫虚上人」 ・「抜け駆け」 ・「湖の底」 ・「落鳳坡」 ・「引き潮」 ・「破軍星」 ・「草刈り」 ・「誘引の計」 ・「援軍到着」 ・「金雁橋」 17巻のサブタイトルは「落鳳坡の衝撃」 龐統先生ー!2017/01/06
0607xxx
9
蜀の将軍たちに中々受け入られない劉備は未だ国を持てず。そして、龐統をも失う…。楽しく読み進めているが、巻末の関連地図や占領コースなどは全く頭に入らず…。再読時の課題だな。2018/10/14