出版社内容情報
黄巾賊は全滅したが、最も功績のあった劉備に与えられたのは、小さな県の警察署長にすぎなかった。しかも巡察に来た役入に賄賂を贈らなかったため、虚偽の報告をされてしまう。
怒った張飛は役人を叩きのめし、官職を捨てた劉備たちは金持ちの屋敷にかくまってもらう。劉備はそこで再会した芙蓉姫と恋におちるが、その恋も捨てて再起をはかるために故郷の楼桑村へ。
そのころ、洛陽の朝廷では大事件が起ころうとしていた……。
目次:
十常侍/勅使/放浪の旅/乱兆/何進将軍の死/西涼の董卓/荊州の父子/赤兎馬/暴虐将軍/青年曹操/奸雄立つ
〔付録〕
永遠のベストセラー『三国志』 立間祥介(中国文学翻訳家)
三国志関連地図
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
どぶねずみ
50
1巻が劉備中心にストーリーが進むのに対し、2巻では廃れた世を描く。いつの時代でも、そして、どこの国にも財に目の眩んだ輩がいて、それらが結託すると世が荒んでいくものだなぁ。劉備の恋ばながとても気になるが、それはさておき、曹操ってあんなに粗っぽい人? 曹操がいくら頭がいいといっても、一度は失敗をしないと世を学んでいかないものじゃないかな。社会がどう変わっていくのか気になる。2019/08/13
JACK
35
◎ 暴虐の限りを尽くした黄巾賊は劉備たちの活躍で滅ぼされた。しかし、劉備たちには充分な報酬も地位も与えられない。官僚の横暴や汚職が広まり、漢の世の中は悪くなるばかり。さらに劉備は役人の罠に嵌って職を失ってしまう。一方、幼い帝を操り、富と権力を思うままにしてきた高官「十常侍」たちは悪政を続ける。それにしても、三国志に出てくる豪傑たちの悪人ぶりは凄い。簡単に騙されて育ての親を殺す、断られたら殺すつもりで人に頼み事をする、町娘を牛と繋いで八つ裂きにするなど、人間とは思えない残酷さ。恐ろしい世界だ。2018/03/01
みや
32
黄巾賊を討伐、劉備が警察署長に就任・逃亡、霊帝崩御、十常侍の乱、丁原と呂布が董卓を夜襲、呂布が董卓に寝返り、陳留王が新帝、董卓の暴挙、曹操が暗殺失敗、曹操の檄文。第2巻は宮廷内の争いがメイン。どこかで何か一つ違っていれば天下を取ったかもしれない有力候補たちが、次々と変わっていって目まぐるしい。何も悪くない村娘が牛裂きにされる場面は精神的に辛かった。誰かしらが助けに来てくれると思ったのに。甘かった。董卓への憎しみが募る。その一方、世話になった人を容赦なく殺す曹操はかっこいいと思ってしまうのはなぜなのだろう。2019/03/23
黒猫
22
ついに三国志の幕開けって感じだ。董卓の横暴もここまでくると清清しい気が。いや、それはないか。しかし、董卓いいぞもっとやれ。そんな董卓を助長するように諸刃の剣となるあの男が登場。呂布だ!人中に呂布あり。馬中に赤兎あり。赤兎馬をエサにあっさりと養父丁原を裏切る。わかっていてもこのあたりが好きだ。呂布良いぞもっとやれ。そんな董卓の暗殺に失敗した曹操は陳留に帰還し再起を図る。逃亡中のあの台詞。「我、天に背けども、天我に背かせじ!」曹操カッコよすぎ。次巻はいよいよ呂布無双か。虎牢関へいざ!横山三国志最高。2019/09/11
ひで
18
横山『三国志』の第2巻。若い帝を利用して暴政を振るう宦官の十常侍。周辺で謀反が起こり始めるが、多くのひとが消されていく。そのなかで陳留王を帝に担ぎ権力を握り始める董卓将軍。呂布や曹操も登場してきて面白くなってきました。2021/01/29
-
- 電子書籍
- デザイナー渋井直人の休日 文春e-bo…