内容説明
「共生」を超えて「依正不二」へあくまでも人間を主体にした、仏法的認識の見事さ。
目次
序章 今、なぜ『人生地理学』か
第1章 牧口常三郎との出会い
第2章 「共生」を超えて「依正不二」へ
第3章 あくまでも人間が主体―牧口思想の原点
第4章 「人類共和」の大切さ―人間生活の絶対的基盤を
第5章 「美」「利」「善」の三価値と「人間主義」
第6章 「山もまた有情物」―牧口と山林との出合い
終章 世界に広がる「人道的競走」
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
イプシロン
24
地理とは自分のいる場所を知るための学問だと。そう考えると『人生地理学』というタイトルの意味が察せるだろう。人は他人や環境(地理を知ること)によって自分の存在を確立しているのだと。人間存在と環境は一体であり不二であると。こうしたことをあらゆるジャンルにわたって精査したのが『人生地理学』だそうだ。よって『人生地理学』は言わば帰納的思索の集大成であり、のちに著された『価値論』はそれを演繹的に述べたもので、両者は表裏一体なのだという村尾の卓見は流石だ。この部分を見落としてしまったら、牧口の真意は掴めないのだから。2017/04/16