感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
財布にジャック
56
ブッダが鹿に説法する場面で、自分が鹿になって聞き入ってしまっているような感覚になりました。さすがに、ブッダの教えは心に沁みます。しかし、一転してアナンダの登場で実はちょっとビビリました。アナンダってこんな人だったのですか?「聖☆おにいさん」のアナンダのイメージとはかけ離れているので、開いた口が塞がらなくなりました。さらに、アナンダとリータの恋の行方が気になる終わり方で、とても不安な気持ちにさせられました。アナンダどうなっちゃうのでしょう?2011/11/28
スター
45
この巻で1番インパクトあるのは盗賊のアナンダ。こういう若き悪党を描くのは、手塚さん本当に上手いわ。 この漫画、無理を承知でインドで実写映画にして欲しい。仏教徒が少数派のお国柄なんで、難しいかもしれませんが。2020/06/09
紅香
35
『人間の悩みは病気の悩み、お金の悩み、肉親の悩み、仕事の悩み。いろいろあるけれどそれはみんな鼻で嗅いだり触れたり味わったり見たり聞いたりして起こる悩みだろう。この災いから逃れるには8つの正しい方法がある。それは正しく見、正しく思い、正しく話し、正しい仕事をし、正しくくらし、正しくつとめ、正しく祈り、正しい生涯を送ることだ。私達生き物は何も悩んだり苦しんだりして一生を過ごしているんじゃない』アナンダ登場。ブッダも縺れた糸をほぐすように一人一人の関係を解決していく。人はやっぱりその真摯さに打たれる。2019/05/10
aisu
18
ブッダは鹿を相手に説法を始める。この巻の後半はアナンダの物語。滅ぼされたシャカ族のおそらく貴族の生き残りであったが、両親も死ぬが、アナンダは死なない不思議な力を得て、盗賊として、盗み、殺しを重ねる。どうやら女の姿をした悪魔がついているようだ。2023/01/18
活字スキー
18
【鹿よ……おまえが聞きたいというのか?いいとも……おまえがこの鹿野苑(ミガダーヤ)の最初の弟子だ】ブッダとしての道を歩み始めたシッダルタは鹿に導かれ、かつての苦行仲間たちと再会。シッダルタがブッダとしての意識を高めるにつれ、対比的に際立つデーパの俗人らしさは中勘助『提婆達多』を彷彿させる。彼のクシャトリヤ生まれながら苦行にかける人一倍の熱意は十分に非凡と言えるが、真の聖人を前にしては憐れな引き立て役に甘んじるしかないのか。てかダイバダッタどこ行った?2022/08/25