感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
72
シッダルタは王国を出て、ひとりで出家する。コーサラのデーバと出会い共に苦行を行うことになるが、苦行に疑問を感じる。シャカ族は悪名高いバンダカが国王になり、コーサラ軍との戦闘で戦死する。バンダカの子・ダイバダッタは子どもの頃の人殺しの罪で追放されるが、オオカミに育てられ、ナラダッタと出会う。そして自然の掟を体得する。魚を食うために捕まえたダイバダッタにナラダッタは言う「魚はおまえにたべられるためにつかまったのだ」と。生きものはみんなそれぞれどこかで結ばれ合って生きている。その縁は世界が続く限り切れないのだ。2020/04/17
財布にジャック
58
この巻は、バンダカの息子のダイバダッタがメインでした。あまりにも過酷なダイバダッタの幼少期の運命に、かなり同情してしまいました。「弱肉強食」を身をもって体験するダイバダッタが大人になったら、どんな人間として、ブッダの前に現れるのかちょっとドキドキします。この巻の解説は北杜夫さんでした。北さんがヘッセの「シッダールタ」を勧めていたので、読んでみたくなりました。2011/10/31
紅香@新刊購入まで積読消化あと4冊⭐︎
26
『空腹で食べなければいけないときだけ相手を殺さないの。それがおきてなのよ。そのおきてをやぶっているのは人間だけ!だから人間はおそろしいの』。。生き方を教えてくれるのは人だけではない。花、樹木、川、海、虫、動物…。人しか見えない人は虚しい。2019/05/07
活字スキー
19
【生きものだけではない。火も水も石も山も太陽もみんな縁を持っている。ふしぎなことだ】シッダルタが出家した後、圧力を強め続ける隣国コーサラに抗するため、カピラヴァストゥの王座についたバンダカ。そういえば「特定の分野では並外れて有能でありながら絶望的に非モテ」キャラという意味でバンダカは我王ポジションだったのかも。そして、シッダルタにとって最強最悪のヴィランとなる運命の子ダイバダッタが誕生し、手塚神の漫画的で大胆な解釈が物語をダイナミックに駆動する。 2022/04/24
かさお
16
4巻でやっとこの物語に入り込めた感じ。「もしお前がこの世にいないならば何かが狂ってしまうだろう」人には全てつながりがあり、大事な役目をしている。2020/04/01