出版社内容情報
山ふところの沼のほとりにすむ木こりの和平と,気立てがよく,味のよいみそ汁をつくる嫁コのものがたり。 小学生低学年から
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
遠い日
11
昔話や絵本にしては、切なく澄んだ悲恋だと感じていたら、松谷みよ子さんのあとがきを読んで、元は、舞踊台本として書き下ろしたものだったようだ。和平に恋した池の鯉の一途な想いが、悲しいまでに美しい。2019/04/15
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
9
和平に恋した沼の主の白い鯉。けれど幸せな時は短く、人間のやるせない罪によって鯉は亡くなってしまう。西山三郎さんは舞台美術をされていて見事な切り絵をみて、松谷さんがお願いしたそうです。2019/09/23
くるた
7
せつないお話。鯉であることを隠して、人間としてお嫁さんになった沼の鯉。「料理しているところを決してのぞかないでください」というのが、昔話っぽいですね。鯉であることがバレて沼に帰るも、悪い人間たちに毒を流され死んでしまいます。死ぬ間際に、追いかけてきた旦那に優しい言葉をかけられて、一応は幸せの中で亡くなったのかな。「毒流したのはだれじゃい!…だれというてもおらとおなじにんげんじゃい。ゆるしてくろ。」切ないセリフです。10分くらい。2017/06/04
ヒラP@ehon.gohon
5
「コイニョウボウ」。 タイトルの響きとは相容れない表紙の絵。 どことなく上村一夫の絵に近い感覚があって、切なくて哀しいお話。 「さが」という言葉がなぜか心に浮かんできたのです。 押しかけ女房の正体は沼の鯉。 その鯉が和平にかけた一途な思いはどうしてだったのでしょう。 我が身を出汁にして、作った汁のおいしさ。 想う夫に身を削る妻の図式は、男の私にはたまらない罠です。 2011/08/04
ピンクのヤドン@どわすれ
2
【絵本】☆4 悲しい話だった。最後の和平の叫びがたまらない。2021/06/20