出版社内容情報
6歳でホロコーストを生きのびたフランス人女性の手記。アンネと同じ収容所に移送された彼女の目に映ったものは。注目の邦訳。
内容説明
これほど残酷な中にあっても、気高い精神を持ち続けた少女がいた!時代を超えた、少女の珠玉の証言。
目次
フランシーヌの少女時代のヨーロッパ
はじまり
黄色い星
南へ
ポワチエ
ドランシー 一九四二年八月
ピチヴィエ
ボーヌ=ラ=ロランド―パリの南、水の都モンタルジの近く
ボーヌ=ラ=ロランド 一九四三年二月
二度めのドランシー〔ほか〕
著者等紹介
クリストフ,フランシーヌ[クリストフ,フランシーヌ] [Christophe,Francine]
1933年生まれ。フランスの作家、詩人。6歳のときに父が戦争捕虜となり、離ればなれになる。その後、母と共にナチス・ドイツに連行され、各地の強制収容所へ移送される。1945年4月、ベルゲン=ベルゼン強制収容所から列車で移送中、トレビッツにて解放。奇跡的に父と再会し、家族全員が生きのびることができた。現在は、フランス国内外でホロコースト生存者として多くの授業、講演を行っている。フランス、ヴェルサイユ近郊在住
河野万里子[コウノマリコ]
翻訳家。上智大学外国語学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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かおりんご
27
児童書。2018年の高校生の課題図書だったので読んでみましたが、今まで読んだのとちょっと毛色が違っていました。著者はユダヤ人であるまえに、フランス人。そして、お父さんが捕虜としてドイツ軍に捕まっていたためにジュネーブ条約が適応され、アウシュビッツのような収容所に行くことがなく、差し入れや手紙を受け入れられたり、鞄も持っていけたそうです。同じユダヤ人でも、たどった道は様々だったのだと、改めて感じました。高学年くらいからなら、小学生でも読めると思います。2018/09/10
Nobuko Hashimoto
16
一気に読んだ。著者はフランスのユダヤ人で、6歳のときに母と共に捕らえられて各地の収容所を転々とした。父が戦争捕虜であったため、捕虜の妻子である著者母子はジュネーブ条約によって「特別待遇」を受け、かろうじて生き延びた。とはいっても彼らも決してまともな生活をしていたわけではない。とりわけ最後の移送先ベルゲン=ベルゼンでの状況は悲惨このうえない。著者は12歳になる手前で解放され、妻子を必死で探していた父と奇跡的に再会を果たした。淡々とした記述がかえって当時の酷い状況をよく伝える。2018/11/24
yuka
12
『アンネの日記』は捕まる直前までの隠れ家生活の記録だったが、こちらは強制収容所でのようすがうかがえる。またもや思い知らされた。人間とはなんとおぞましい生き物なのかと。「ユダヤ人」というだけで、捕まり、収容され、食べ物もろくに与えられず、痛め付けられ、病気の蔓延する、汚物にまみれた不潔なバラックにとじこめられる。なんて理不尽。全て、人間のやったことだ。こんなことは、世界中のどこでも、二度と起こってはならない。2018/07/31
エル
7
出だしから著者は運が良かった。父親が捕虜でなければ強制収容所で希望を持つことが出来ずに亡くなっていた可能性が高い。諦めないことは生きるチカラになる。陳腐な言葉しか出てこないけど、読めて良かった。2022/12/25
ほっそ
6
父親が「戦争捕虜」だったことで、ホロコーストを生き抜いた女性の手記。 (日本でいえば、小学生時代とほぼ重なる) 読んでいて辛い、ひもじさ、害虫、酷い環境の連続でした。 絶望の中、死んでいった多数の犠牲者を思わざるを得ない。 アンネがもし生き抜いたら、どんなこと書いただろうか。2023/05/02