出版社内容情報
中学二年生の柊が転入したのは、私服で通う学校だった。ただ柊は家の事情で、サイズの合う上着を一着しか持っていない。ある日、ウワサ好きなクラスメイト「ゴシップたち」と揉め、唯一サイズの合っていた雨雲色のフーディの左ひじの生地をすりきれさせてしまう。
親に洋服をねだるのが心苦しい柊は、ある方法を思いつく。「エルボーパッチ」だ。「ひじ」を意味する英語のエルボーと、「つぎ布」を意味するパッチを組み合わせた言葉で、つまり「ひじ当て」だった。
学校生活、家庭事情、お金のこと……悩める中学2年生・柊のパッチワークストーリー。
【目次】
内容説明
中二の柊は、ある日クラスメイトともめ、唯一サイズの合っていた洋服“雨雲色のフーディ”の左ひじの生地をすりきらせてしまう。そこで柊が考えた方法は「パッチ」だった―
著者等紹介
佐藤まどか[サトウマドカ] 
第22回ニッサン童話と絵本のグランプリで童話大賞を受賞した『水色の足ひれ』(BL出版)で、2006年にデビュー。2011年『スーパーキッズ 最低で最高のボクたち』(講談社)で第28回うつのみやこども賞、2019年『アドリブ』(あすなろ書房)で第60回日本児童文学者協会賞と第6回児童ペン賞少年小説賞をダブル受賞。1987年よりイタリア在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
雪丸 風人
19
          
            いまの恵まれた子たちに薦めたい一冊ですね。主人公は目立たず寡黙な中二男子。学校に居心地の悪さを感じていた彼が、思わぬ流れからみんなの注目を集めることになります。少年のふるまいに優しさがにじみでていて秒でファンに!彼のピンチで教室の空気を変えるあの子も凄い!魅力あふれるキャラたちが巻き起こすムーブメントの渦。それが想像もしなかった道を切り開いてゆくさまを目一杯楽しめましたよ。引き出しの多さが光る生徒会長の立ち回りもいいんだ~。いざというときの母の活躍からも目が離せませんよ。(対象年齢は11歳以上かな?)2025/10/04
          
        joyjoy
2
          
            息子が受けた生徒指導をまた思い出す。「校則のゆるい学校ができたらしいけど、ああいう学校に行きたいか?」と聞いてきた先生の言葉には、派手な服装、髪形をしている生徒への偏見が隠れていたように感じた。自由だからこそ、どうすべきか、どうしたいかを、自分なりに考える機会が増えるというか、考えざるを得ないなら、それもよいのでは。「ルールだから」で終わらせて、深く考えることがなくなることのほうが、実はこわいかも。 あとがきの「小さなことを楽しむ術を身につけると、困難な状況を乗り越えやすくなる」という言葉、覚えておこう。2025/10/31
          
        かはほり
1
          
            内向的な少年が少しずつ成長していく過程が丁寧に描かれており、話に破綻がなく読みやすいと思う。裁縫は全くダメだけど、これを読むととても楽しそうで自分でも洋服を作りたくなった。作中の挿絵は、2か所しかないけど、それに負けない描写力があるので大丈夫そう。2025/10/19
          
        


 
               
               
               
              


