出版社内容情報
辛い思いをしている子どもの前に、ある日突然現れる「純喫茶クライ」。
扉を開けると、ミルクセーキ、プリンアラモード、ホットケーキ、クリームソーダ、ナポリタン…心躍るメニューたち。そして驚きのストーリーが待っています。
現実までが変わっていく。
明日を生きる希望が生まれる物語。
内容説明
自分と、この世界をつないでいる糸を、自ら断ち切ってしまいたくなるような、そんな気持ちになったとき…。『純喫茶クライ』のマスターさんは、子どものそんな思いをキャッチすると、お店の看板に明かりをともします。そして、あなたはみつけるはずです。歩きなれたいつもの道に、ぽつん、と立っているその看板を。(本文より)
著者等紹介
吉田桃子[ヨシダモモコ]
1982年福島県生まれ。日本児童教育専門学校絵本童話科を卒業。2015年、第32回福島正実記念SF童話賞で佳作に入選。2016年、第2回小学館ジュニア文庫小説賞で金賞を受賞し、『お悩み解決!ズバッと同盟』(小学館ジュニア文庫)として刊行される。同年、第57回講談社児童文学新人賞を受賞して『ラブリィ!』を刊行し、2018年、同作で第51回日本児童文学者協会新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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komorebi20
28
[図書館本]初読み作家さん。児童書ですが、装丁のプリンアラモードに惹かれます。作家の吉田桃子さんは、福島県出身で児童教育専門学校絵本童話科という肩書きです。わかりやすい文章ですが、子どもの気持ちに寄り添っていて、マスターの助言も奥深いです。 カフェやファミリーレストランでなく、純喫茶のクリームソーダやナポリタンスパゲッティに憧れてます。2025/06/16
雪丸 風人
19
昭和の香り漂うカフェが登場するちょっと不思議な短編集。悩める子どもたちを引き寄せるお店との出会いが、彼らに解決の糸口を与えてくれます。やはり多いのは家族関係や友人関係の問題ですね。大人の不甲斐なさを感じる局面もしばしば。その分だけ子どもの賢明さがまぶしく感じられましたよ。主人公が明らかに悪い展開では、気持ちの移ろいに胸をなでおろしました。各章末尾にあるマスターからのアドバイスは味わい深かった!大切なことが原液のように凝縮されたメッセージは、何度でも読み返す価値がありそうです。(対象年齢は11歳以上かな?)2025/05/05
花林糖
17
(図書館本)表紙の美味しそうなプリンアラモードに惹かれて。子供だけが出会えるお店「順喫茶クライ」。悩める5人の子供たちの物語。子供の頃に辿り着きたかった、残念「どうせ」は呪いの言葉・呪いの魔法。夢も希望も可能性も全てを奪う。しかしかけた呪いを解く事ができるのも自分だけ。各物語の最後にあるマスターからの言葉が◎。2025/03/18
Mer
14
児童書だとはあまり感じられない表紙。美味しそうなプリンアラモードについ手が伸びました。家族・友人、そして自分自身の事で悩んでいる子の為に現れる不思議なお店【純喫茶クライ】。作中に出てくる美味しそうな食べ物。しんどい時って美味しいものや好きなものを食べて頑張ろう!って自分を鼓舞する魔法だし、ゆっくり過ごす時間や誰かと少し向き合うことで気持ちを整理するのも大切なこと。そんなきっかけをくれる一冊じゃないかな。学校に入れても良いかも…2025/04/19
えつ
13
めちゃくちゃ可愛い装丁に惹かれて図書館で手にした1冊。読もうと思ってびっくり。児童書でした。いまはこんな素敵な装丁の児童書があるのか…大人っぽいなー!なんて思いながら読んだ。自分とこの世界をつないでいる糸を自ら断ち切ってしまいたくなるような、そんなツラい気持ちになった子どもたちだけがたどり着ける『純喫茶クライ』。メニューが懐かしさ爆発。全部おいしそう。マスターの助言が優しく寄り添ってくれる。子どもたちも問題を自力で解決しようとする。読んでいてほっこりした気持ちになった。大人が読んでも面白いと思う。2025/06/22