出版社内容情報
ぼくは街でひとり暮らす猫。だれもぼくのことを気にとめない。道端の石ころと同じ。でもある日「こんばんは」と声をかけてくる人間がいた。紙版画で描く、ある黒猫の物語。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
223
続いて第二弾、坂本 千明、2作目です。紙版画で描くある黒猫の物語、雰囲気があって素敵な絵本だにゃあ😸 https://www.iwasakishoten.co.jp/news/n36831.html https://www.iwasakishoten.co.jp/news/n36966.html2020/09/18
馨
140
絵本。黒猫の絵が可愛くて読みました。ノラネコは感情を押し殺していつもこんなふうに誰からも気に留められないようにひっそり生きているのかと思うと切なかったです。幸せな猫が増えてほしい。2021/08/01
シナモン
137
誰も気にとめない。石ころと同じ。だまっていればぼくらは平和だ…野良猫の気持ちが切なかった。どのページも猫の表情、仕草が愛おしくて惹き付けられた。2021/09/16
ぶち
115
読友さんのレビューに魅かれて手に取りました。あの『退屈をあげる』の坂本千明さんが紙版画で描き出す一人で生きてきた黒猫の物語。"声をだしては危険と教わったから、ぼくの声はぼくの中にだけある。そうだろう?いしころ"....孤高の猫なんだなぁ、と思いながら捲った見開きのページで、私の感情が一気に高まりました。喋らなかった黒猫が声を限りに思いっきり叫んでいるんです。心の中の気持ちを素直にそのまま声に出して伝える相手がいることの幸せ。ぎゅっと抱きしめて、"いいんだよ、たくさん声をだしても"と愛おしくて、愛おしくて.2020/12/17
chimako
97
野良になった仔猫。誰も振り向いてくれない。誰もが無関心。道端のいしころと同じ。草や雨と同じ。自分を守るために声を出してはダメと言われて、思いはみんな飲み込んだ。〈かなしい〉も〈こわい〉も〈おなかがすいた〉もみんな飲み込んでいた。ある日、カリカリが置かれた。お腹いっぱい食べた。声が出た。今まで飲み込んだ思いが溢れた。いしころでなくなった日。真っ黒な仔猫の目。ふわふわとした体。いしころのようにかたくなった心。これはひとり(一匹)生きる仔猫のお話。でも、誰にも知らん顔される誰かのお話。声が出せない誰かのお話。2021/02/05