内容説明
寿命が尽きるまでは死なないでほしい。子どもは絶対、死んじゃいけない人だから。たくさんの子どもたちの死を看取ってきた医師からの「いのち」のメッセージ。
目次
1章 ぼくの仕事―「いのち」と向きあって(みんなが死んだ時代から治せる現代へ;子どものがんと大人のがん ほか)
2章 ぼくの子ども時代(十歳の家出;中学を出て集団就職する友だちの中で ほか)
3章 ぼくの青春時代(十五歳で下宿;食べ物の恩は忘れない ほか)
4章 今、生きるということを考える(生きている人と死んでいる人;子ども時代に支えられて ほか)
おしまいにもう少し(戦争と平和;働くことについて ほか)
著者等紹介
細谷亮太[ホソヤリョウタ]
1948年山形県生まれ。東北大学医学部卒業後、聖路加国際病院に勤務。現在、聖路加国際病院副院長・小児総合医療センター長。専門は一般小児科のほか、小児がん、小児のターミナルケア、育児学。俳人としても活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆうゆうpanda
35
聖路加国際病院小児がん専門医の細谷亮太氏のエッセイ。生い立ちから現在の仕事に関することまで書かれています。山形の医師の家に生まれた細谷氏。比較的裕福で苦労を知らずに育ったことを引け目に感じるのは宮沢賢治の生い立ちと重なります。高校時代から俳句に親しみ、影響を受けた本に『少女パレアナ』をあげている所には共感を覚えました。医学は進歩したとは言いますが、10人に2人は亡くなってしまう小児がん。辛い仕事を乗り越えるために「いいことさがし」や俳句が力を貸しているとあると、とても他人事とは思えません。素敵な方でした。2016/01/07
よちよち
11
やはり、人間は生きねばならない。そのメッセージをこの本からもらった。私は、太陽に向かって咲くひまわりを見て、美しいと思う人間でいたい。2013/09/11
なつ
9
『自分の思いを何らかの手段で人に伝えることは大事です』『その人なりに健康感をもつことができたら健康なのです』『心が生き生きと働く時、体も生き生きと活動するのです』『もし生きるのが辛いと感じるような時があったら自然の中で自然を感じてほしい。本気で自然と向き合ったら生きる気力が戻ってきてくれます。寿命が尽きるまでは死なないでほしい』『どんな時でも人が人として生きがいを感じながら生きていけるのは他の人への思いやりをもつことができるからであり時には思いやりをもらえるからなのです。』私も切に思う「皆生きようよ」と。2017/11/04
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
8
『授業で役立つブックトーク』 https://bookmeter.com/books/5540025 より備忘録。【その他 テーマ 見てごらん(人権強化月間の導入)】みんなおなじ でも みんなちがう→いのちのなぞ 上の巻・下の巻→でも、わたし生きていくわ→生きようよ 死んじゃいけない人だから→子どものためのコルチャック先生→てをみてごらん2020/08/07
きょーこ
4
図書館の中高生向けの棚にありました。小児科医の、著者の生い立ちから40年間のこと。子供時代を大切にしてほしい。大人になってからの支えになるから。。。自分が小さく弱かったときの感覚をベースに持っていないといけない。そして、幼いひとたちのことをこころのどこかで考え続けてください。そうすると不思議と優しくなれます。。。戦争と平和。生きること死ぬこと。日本の四季のうつろいの美しさ。働くこと。人と人の繋がり。こころのふるさと。また手に取るときが来そうです。2015/06/24