出版社内容情報
おばあちゃんちの近くの雑木林に、ぼくの友だちのクヌギがいる。枯れて、死んでも、また会えた。自然の営みを見つめてきた写真家・今森光彦がつづる命のつらなりの物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
156
先日の3作に続いて、遡ってシリーズ第二弾を読みました。ほとんどホラーのような迫力のある作品です。結局自然は循環して繋がって行くんですね。 https://www.iwasakishoten.co.jp/book/b590540.html2022/03/11
☆よいこ
86
生と死をテーマにした絵本シリーズ。少年は森の中に友達がいる▽夏休み、祖母の近くの雑木林にひとりで入っていく杖をついた少年。おおきなクヌギは少年の友達だった。樹液に集まる虫たちに興奮する。夜にはカブトムシが力比べをしている。鳥に食べられバラバラになって死んだカブトムシをアリが運んでいく。次の年の夏休みに少年はまたクヌギのところへ行く。ところがクヌギは枯れてしまった。枯れたあとの地面に、カブトムシの幼虫がいた▽少年が杖をついているので足が不自由なのか目が不自由なのか、それはわからない。2021年発行2025/04/07
けんとまん1007
55
一本の樹が、生命を育み、やがて朽ち果てていく。しかし、ただ朽ち果てて終わるのではなく、その後には、また新しい芽が芽吹き・・。一本の樹を見つめ、一本の樹と共に成長しいていく少年は、何を思うのだろうか。大きな意味での、生命の繋がりということを思う。この星の上で、この宇宙の中で。そんなことを感じ取れる感性を、ずっと持ち続けたいと願う。2024/08/05
読特
50
大きなクヌギが樹液を出し、虫を集める。雑木林の夜は怖い。カブトムシが戦っていて、昼になったらバラバラに落ちて、オオアリに食べられている。クヌギにも寿命が来て、カサカサになって、小さくなって、やがては地面に帰る。そして、また新しい命が生まれる。…生命のサイクルは、重々しくも、軽々しくもない。その言葉は、哲学的でも、宗教的でも、ない。自然に見つめる、より深く。そして、より良く生きる道を探る。光を生み出すのは闇。…来年の夏休みも、少年はまたここを訪れる。2025/11/08
ふじ
23
闇は光の母シリーズ2作目。虫ジャンルでお馴染み今森さんが子どもの頃お気に入りだった田舎のクヌギの木が主人公。植物も、命は巡る。絵が淡い色合いなのに不思議と迫力があり見入ってしまった。2022/08/28




