出版社内容情報
1300年の歴史があり、国の重要無形文化財に指定されている埼玉県の小川和紙(細川紙)の職人をたずねます。大迫力の画面で、紙すきの伝統工芸の技を紹介した写真絵本。
著者等紹介
瀬戸山玄[セトヤマフカシ]
1953年鹿児島県市来町生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。WORKSHOP写真学校・荒木経惟教室に入塾後、1978年に入社の映像制作会社を経てフリー。2000年からドキュメンタリスト・記録家として文筆、写真、映像を駆使した活動を開始。技術の伝承と領域横断の新しい道を探る。岐阜県現代陶芸美術館での展示映像制作をふくむロドチェンコ・ルーム・プロジェクトは03年グッドデザイン賞審査委員長特別賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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シフォン
40
ユネスコの無形文化遺産に登録されている細川紙があり、和紙は世界の大事な文化遺産と認められている。埼玉県小川町の紙すき名人内村さんの工房が紹介されている。細川紙を作るには、コウゾという木の皮の繊維、トロロアオイという植物の根からとるネリを水に混ぜ、竹簀をのせた簀桁ですくいあげる。また、コウゾを育て、かり、蒸し、むき、乾燥、戻し、ひき、にて、それからと紙を作るのは1年掛かり。紙すきの技術を持った人や工房が少なくなっているようだが、伝統工芸や文化を継承していってほしい。2020/09/22
anne@灯れ松明の火
26
読友さんご紹介。重要無形文化財の小川和紙(細川紙)の職人・内村さんによる、和紙、紙すきの紹介本。48歳で、偶然見つけた研修生募集に応募して、今では名人になっている内村さん。すごい! 猫のジローくんから始まり、子どもがとっつきやすいスタート。写真が多く、言葉も丁寧でわかりやすい。何年も前だが、地元の深野和紙の紙すきを体験したこともある。今、手づくり絵本では和紙のちぎり絵に挑戦中。好きな小説にも、この話題が出てきているので、興味深かった。2020/12/01
なま
13
★4.2 埼玉県の小川町と東秩父村は和紙の産地として1300年の歴史がある。小川町の紙すき職人、内村久子さんは小川和紙の中でも最高級品の「細川紙」をすくことが出来る。工房の仕事を通して紙の原料であるコウゾの収穫から紙干しまでの15工程を解説。大きな写真や注釈もありわかりやすい。2014年『和紙 日本の手漉和紙技術』としてユネスコの無形文化遺産に登録されたのは細川紙、本美濃紙(岐阜県・美濃和紙)、石州半紙(島根県・石州和紙)。巻末には全国の紙すき産地の地図有。絵本のように読みやすいのも特徴。2023/01/07
minaseh
3
木を育てるところから紙作りは始まる。この手間ひまと簡単そうに見えて真似できない技術、これが「職人技」というものか。 美しい紙を作るには、きれいな水が不可欠だな。 巻末の産地一覧を見て、思った以上に多いことを初めて知った。全部は無理でも機会があればぜひ見に行きたい。やりたいはまだちょっとおこがましくて言えない。軽くできるものではないと思うので。 2021/03/13
belle
3
暖かな日差しを浴びてご近所のミツマタが見ごろを迎えている。ミツマタは花の形に特徴があるが、和紙の原料でもある。さてこちらの本はコウゾを原料とする世界無形文化遺産の埼玉県小川和紙。その中でも特別な細川紙を取り上げる。美しく丈夫な紙だ。紙すきに至るには、まずコウゾを育てるところから始まる。コウゾとトロロアオイと水と人間の技が絡み合っての唯一無二の紙。~地道な技の積み重ね~と語る名人の清々しさ。2020/03/20
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