出版社内容情報
私たちの毎日の生活に実験動物が深くかかわっていることを知ってほしい。動物実験施設で働くテルの姿を追うノンフィクション。
実験動物のお世話をしているひとりの女性の物語。私たちの毎日の生活に「実験動物」たちが深くかかわっていることをぜひ知ってほしい。動物実験施設で働くテルの姿を追う。
内容説明
動物実験は、どうして必要なの?わたしたちは実験に使われる動物たちのことを考えたことがあったでしょうか?あなたにも、ぜひ知ってほしい。わたしたちの毎日の生活に「実験動物」が深くかかわっていることを。
目次
第1章 実験動物との出会い
第2章 ブタさんが苦しんでいても、わたしには何もできない…
第3章 もう、メソメソなんかしていられない
第4章 ブタさんのストレスをやわらげるには?
第5章 ありがとう実験動物たち
第6章 涙の先に見えたもの
著者等紹介
笠井憲雪[カサイノリユキ]
1947年北海道生まれ。1970年北海道大学獣医学部卒業。獣医師。1994年東北大学教授。同大医学系研究科附属動物実験施設長、同大動物実験センター長歴任。2012年より東北大学名誉教授・客員教授
太田京子[オオタキョウコ]
1948年東京都生まれ。日本女子大学文学部卒業。日本児童文学者協会会員。児童文学実作通信講座講師。WWFジャパン会員。日本文芸家協会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鈴
64
【生きもの週間@月イチ】②辛くて最後まで読めるか心配だったが、児童向けだからか、その辺りは配慮されている気がする。豚ってこんなに艶々とキレイなのかとびっくりするほど、家畜の豚に比べて小綺麗にされている。もちろん実験に使う大事な動物だから不衛生にしてはいけないのだが、動物たちが短い生の中で快適に暮らせるようにも考えられている。実験が終わったあとは、解剖するために安楽死、聞いただけで胸が苦しくなる。しかし手術したり薬が飲めたりの医学の進歩は実験動物がいたからこそで、せめて頭の片隅にでも、忘れないでおきたい。2018/01/24
る*る*る
32
東北大学医学部の動物実験施設「技術職員」として働いている末田輝子さんを通し、動物実験の世界を知る…毎日世話している動物の苦しむ姿を目の当たりにし、毎日泣き、辞めたいと思っていた彼女。一冊の本との出会いから、アン・ロスの「動物福祉」に共感し現在に至る。手術経過や体の器官説明を分かりやすく説明。やはり読書中は涙してしまったけれど、作者あとがきの「かわいそう」の先を見つめて、読後は「ありがとう」と言おう…!2015/07/20
那由田 忠
21
なぜか登録忘れ。実験動物の世話をしている女性について、最期は鎮静状態を経て安楽死(病理解剖)となるが、その前にデリケートで個性豊かな動物の不安や恐怖をいかに抑えるかが語られる。置き換え、削減、苦痛の軽減という3Rの扱い方の原則が英国で1959年に誕生している。こうしたことを小学生にもわかる本にしたことがすばらしい、ありがとう。2018/03/21
たまきら
13
実験動物を扱う…めったに知ることのできない現場の一つだ。動物が好きな人間ほど「かわいそう」という気持ちが先に立ち拒否反応を起こすだろう。でも、どういう立場だろうと現場を知ることは本当に大切だと思う。どちらのサイドの意見も知っておきたい。代替法の開発についての説明は、興味深かった。…しかし、と畜場で働く人たちや捕鯨漁師さんへの差別はすさまじいのに、科学者への差別は聞かないのも、不思議だ。生死にかかわるお仕事を、現実のひとつとしてまずは中立の立場で子供たちに伝えたいと思う。2015/08/04
今庄和恵@マチカドホケン室コネクトロン
10
ムツゴロウさんは「動物実験はどんどんやるべき」と言っていた。かつての職場の同僚が「動物好きのいまぷにぴったりの仕事があるよ」と見せてくれた新聞の求人広告が実験動物の飼育係の仕事だった。動物のお医者さんがブームになった時、獣医学部の志望者が激増したけど中退者も多かった、思ってたのと違う、と。現場の方々がいかに実験動物と真摯に向き合っているか。肉を食べないとか皮を使わないとかは出来ても、医療を拒むことまではなかなかできないでしょう。ありがたく受け取るのみ。2017/02/04