出版社内容情報
山ねこから届いたはがきで、「めんどな裁判」に出ることになった一郎。森へ行くと、どんぐりたちが、だれが「いちばんえらい」かを争っていた。そこで、一郎は…。
内容説明
ある日、山ねこからはがきをうけとって、一郎は森の「さいばん」にでかけた。たくさんのどんぐりたちがだれがいちばんえらいかをあらそっているというので、一郎は…。小学1年生から楽しくよめる宮沢賢治のおはなし。
著者等紹介
宮沢賢治[ミヤザワケンジ]
1896年岩手県花巻市生まれ。盛岡高等農林学校卒業。1924年詩集『春と修羅』、童話集『注文の多い料理店』を出版するが、1933年9月21日、病気のため三七歳の若さで亡くなる。数多くのこされた、すぐれた詩や童話が、没後、整理・出版され、いまもなお多くの人びとに読みつがれている
高畠純[タカバタケジュン]
1948年生まれ。愛知教育大学卒業。1983年『だれのじてんしゃ』(フレーベル館)でボローニャ国際児童図書展グラフィック賞。2004年『オー・スッパ』(講談社)で日本絵本賞
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感想・レビュー
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chiaki
42
面倒な裁判に来てほしいと、山ねこからのはがきを受け取った一郎。道中も奇妙で面白い。がやがやとラチのあかないどんぐり裁判を見事片付けた一郎の頓知になるほど!馬車別当が妙に印象的で夢に見そうだし、"ひゅうぱちっ"とその鞭打つ音も耳を掠めるよう。名誉判事、またお呼びが掛かって欲しいなぁ。このシリーズ読みやすくてすごく好き。高畠純さんの挿絵もこの世界に不思議と合いすぎてて、他の『どんぐりと山猫』が想像つかない!…と思ったらミキハウスからのは田島征三さんだ!読まなきゃ♡2020/12/11
ヒラP@ehon.gohon
30
独特な絵で挿絵を描いた高畠純と、宮沢賢治の存在感が張り合っているような本だと思います。 お話が絵本として埋め込まれたら、きっと違和感が強かっただろうなと思うのですが、挿絵であることが面白味になっています。 ユニークな童話本です。2022/12/02
shiho♪
24
高図書本。どんぐりの「どんぐりの背比べ」な争いが三日も続き、痺れを切らした判事の山ねこが一郎に裁判をして欲しいと手紙を出したところから始まるストーリー。 判事になった一郎の見事なとんちになるほどと思い、随所に出てくる耳馴染みのない擬音語が逆に中毒になりそうな、とても味わい深い物語。 山ねこの馬車別当(馬車を引く馬の口取り)のおじさんが奇妙な出で立ちなのだが、高畠純さんの絵が良い感じに補ってくれて、高学年でもお話に入りやすいようになっている。2021/11/20
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
18
宮沢賢治のおはなしを高畠純の絵で読みたくて。このおはなしは語って(声に出して)こそ良さが出るなぁ。2019/08/23
サルビア
14
今受講している朗読の講座で「どんぐりと山ねこ」を読んでいて、その中に馬車別当の稀代な容姿についての記述がありました。「…ことにそのあしさきときたら、ごはんをもるへらのかたちだったのです」 図書館で馬車別当の絵が描いてある本を探しました。そう見えなくもありません。2021/10/31