内容説明
劇団に所属する兄貴は、ハタ迷惑な情熱野郎だ。その兄貴が引きおこす、悲しくもせつない愛の告発を描いた「兄貴の純情」や、温かく穏やかなレンジャーの深森護が織りあげる“心優しい真実”を若杉翠の手だすけで解きあかす「時計を忘れて森へいこう」や、表題作の「橋を渡るとき」などを収録。
著者等紹介
光原百合[ミツハラユリ]
広島県生まれ。大阪大学大学院修了。詩集や童話を執筆しながら、ミステリー作品を執筆。「十八の夏」で日本推理作家協会賞(短編部門)を受賞
亀井洋子[カメイヨウコ]
1959年、東京都生まれ。女子美術短期大学グラフィックデザイン教室卒業。イラストレーター。ポスターなどの広告やカレンダー、雑誌、書籍の装画、挿絵を数多く手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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竜王五代の人
2
表題作以外は既読。表題作、探偵役の大学生が、黙って動かなければ素敵なのに動くとダメ、な例えとして泡坂妻夫の亜愛一郎がひきあいにだされているのがケッサク。「吉敷」は島田荘司の吉敷竹史か? 知らなかった。確かにそのたとえがふさわしい人物だけれど、彼もまた心を温める探偵だった。/子供向けの選集だけあって、挿絵の多いのが売りのはずなのだけれど、深森さんがボサボサ頭のおじさん風になっていて残念。ダサい人という設定は分かるがもう少し格好良く描けなかったものか。表紙は表題作のヒロインか?2022/01/15
Sayuri Kagawa
2
「橋をわたるとき」というタイトルに惹かれすうっと手に取った。最後の「時計を忘れて森へ行こう」もツボ。ミステリと呼ぶには物々しさや騒がしさはなく、心に焦点を当てているところが独特で味わいがあると思った。また、感性の潤う言葉の繋がりに読むのが心地よかった。「時計を忘れて森へ行こう」が一番好き。身体に染み込んでくるような物語だった。2015/11/10
もぐもぐチョビたん
2
短編もの(=^ェ^=)テンポのいい文章でサクサク読める♪イラストも可愛らしいし楽しめた☆心温まる爽やかな一冊('∀'●)2014/09/17
りうかん
1
誰も殺されないミステリ小説。誰かのちょっとした心の影をそっと解いてしまうような話が多かった。いわゆる名探偵的な人は出てこないが(そもそも殺人事件が起こらないし)共感力と想像力で謎を解いてしまうという素敵な探偵さんがでてきます。2017/07/09
朔風はっち
1
短編集。「兄貴の純情」「橋を渡るとき」ともに、魅力的な登場人物が出てくるので、ぜひ続編を読んでみたいなぁと思いました。「時計を忘れて森へいこう」は続編あり。2014/08/01