出版社内容情報
捕物帳の元祖、おかっぴきの半七親分が幕末の江戸の町におこった奇怪な事件をあばく。怪談仕立ての「津の国屋」は、代表作といわれる傑作。他に「雪だるま」「三つの声」を収録。 小学生中学年から
内容説明
津の国屋という大きな酒屋のひとり娘、お雪が17歳になったときのことです。お雪の常磐津の女師匠、文字春が暗い夜道で、幽霊のような娘につきまとわれました。その気味の悪い娘は「津の国屋へ行く」と言うのです。その後、文字春の心配どおり、津の国屋に不幸が続きます。津の国屋の主人夫婦をうらんで死んだ娘の話を聞いた文字春は…。江戸の魅力あふれる怪談話の捕物帳。他『雪だるま』『三つの声』を収録。
著者等紹介
岡本綺堂[オカモトキドウ]
1872年(明治5年)、東京芝高輪に生まれる。新聞記者を経て、子どものころからの夢の劇作家となった。1911年に市川左団次のために書いた『修善寺物語』が好評を博し、以後『鳥辺山心中』『番町皿屋敷』他の劇作を発表。綺堂は英語が得意で、海外の推理小説を原書で読破していたことから、コナン・ドイルの「シャーロック・ホームズ」をヒントにした『半七捕物帳』を1916年から新聞小説として発表。他に推理、怪談小説の作品多数。現代でも多くの人に愛読されている。劇評の仕事や後進の育成にもつとめた。1939年(昭和14年)に68歳で亡くなる
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
三丁目の書生
3
岩崎書店の小学生を読者対象にしたであろう「世界の名探偵」シリーズ全10巻のうちの一冊。 明智小五郎は当然の選出ですが、三毛猫ホームズとは今風で新しい。その三毛猫ホームズに並んで半七が登場とは、渋すぎます。 私が小学生の頃は小学生向けの捕り物小説なんて出てなかったように思います。この選定は攻めています。 巻末の縄田一男さんの解説も充実して良い。本書をよめばキミはもう半七博士だ!! https://diletanto.hateblo.jp/entry/2024/12/09/195802 2024/12/13
永田 誠治
3
同時収録『雪だるま』、『三つの声』。それまで日本にも推理小説(探偵小説)はあったけれども、半七は「江戸のシャーロック・ホームズ」、「日本初の名探偵」と言われるほど人気を誇った人。お墓まで作られたというから、それがよく分かる。しかも怪奇趣味も満載で、事件のきっかけは、幽霊や超常現象から始まるものも多い。しかも著作から江戸の文化を知ることもできとても意義深いシリーズだと思う。2023/09/25
頼ちゃん
3
捕物帳、テレビドラマのイメージで、本を読んだのはじめてかも。シャーロック・ホームズをヒントに書いたというのも初めて知って、ちょっとびっくりしました。面白かったです。2022/08/14
悸村成一
0
児童書。3編収録。図書館本。 1692015/12/15
くろばーちゃん
0
綺堂の怪談は好きだが、半七は読んだことがなかった。児童書だが、良い入門書。半七、読んでみようと思った。2024/12/04