出版社内容情報
チヨおばあちゃんとの再会、その後の別れを描く「神さまの宿るおなべ」、小さな神さまのお告げに導かれ、家出した誠一兄ちゃんをさがしあてる「親指神さま」など4編収録。
内容説明
チヨおばあちゃんとの再会、そのあとに訪れる別れを描く「神さまの宿るおなべ」、親指ほどの小さな神さまのお告げにみちびかれて、家出した誠一兄ちゃんをさがす「親指神さま」など、なつかしく、そして快いぬくもりに包まれた作品四編を収める。小学校中・高学年向き。
著者等紹介
楠章子[クスノキアキコ]
1974年、大阪市生まれ。梅花女子大学児童文学科卒業。第四五回毎日児童小説・中学生向きにて、優秀賞受賞。日本児童文芸家協会会員。「プレアデス」同人
早川司寿乃[ハヤカワシズノ]
1959年生まれ。東京デザイナー学院イラスト科修了。書籍装画、さし絵、CDジャケット、ポスター、他で活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
浅葱@
9
この町でのリアル感も懐かしい感も好きです。日常と不思議がゆっくり伝わってきました。2014/10/06
バニラ風味
6
これはな、(小学5年生の女の子)みそらの学校、近所での日常を描いたショートストーリー4編なんや。うちら、ふつうに暮らしとるけど、いつも、どっかで「ああ、神さまがいてはる」って思うんやわ。不思議なこと、辛いことあったら、神さまにお話ししてみるのも、いいんちゃう?あんたんとこにも、神さま、いてはるんやないの?…先が読めちゃうところもあるけど、心にほんのり灯がともります。昭和チックな絵も、ぴったりマッチしています。2013/06/26
る*る*る
2
第二章『神さまの宿るおなべ』読んでいて先が見えてしまうが、みそらがおばあちゃんと市場へ買いものに行く様子に、小さい頃の私と母の姿が重なりました。魚屋さんで、シジミが水はく様子をじーっと見ていたなぁ! 作者の届けたいぬくもりを感じる短編集です。2013/08/31
qs
0
この町にも何処かにきっと、神様住んで居るのでしょう。いつか会えますように。2015/09/04
遠い日
0
大阪の下町を舞台に、なんだか懐かしくて、ほろりとくる優しさにほっとさせられる物語。ものについた神さまにまつわる話が2編登場。大阪弁の独特な言い回しが、心地よい会話と人情の機微を浮き上がらせる。人の本音は、ずばりと吐き出しても、切り込んでいってもだめだ。お互いが解りあうのも同じ。「神さまの宿るおなべ」「お風呂屋さんの神さま」は、切なくほろ苦く、人の思いの丈が描かれた2編。不思議なできごとを起こさせるに足る人の思いに、胸がつまる。私の好きな早川司寿乃さんの装画、挿絵もたっぷり楽しめた。2008/10/22