出版社内容情報
宮沢賢治の童話に登場するもので現代の子どもには身近ではないものなどを、豊富な写真やイラストで紹介する事典。コラムも充実。
中地 文[ナカチ アヤ]
目次
1 光と空の章(幻燈;まわり燈篭 ほか)
2 土と草の章(モリブデン;火山弾 ほか)
3 しごとの章(稲こき器械;ふいご ほか)
4 くらしの章(萱ぶきの小屋;みの帽子 ほか)
5 食べものの章(西洋料理店;カリメラ ほか)
著者等紹介
中地文[ナカチアヤ]
東京女子大学大学院文学研究科日本文学専攻修了。現在、宮城教育大学教授。日本児童文学学会理事。宮沢賢治学会イーハトーブセンター理事。宮沢賢治を中心に、日本近代文学、日本児童文学を研究している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mocha
109
毒もみってこれなんだ!アセチレンランプ、やまなし、ラッコの上着…etc.賢治童話に出てくるアイテムが贅沢にも写真付き見開きで解説されている。鉱物の項ではらんしょう石、蛋白石、火山弾などなど。特に嬉しかったのは、賢治が描いた、月夜に行進する電信柱の絵。ユーモラスで少し怖い電信柱のお話をまた読みたくなった。子供の頃に出会いたかった事典。2017/01/27
よこたん
44
かぷかぷ、もかもか、えらえら、せらせら、のろづきおほん、のんのんのんのんのんのん、カブン…賢治の童話の中のオノマトペが好きで、つい声に出して読みたくなる。作品事態は、ほの暗さと苦さ冷たさがうっすらと横たわる印象が強くて、私には深追いはできない。作品に出てくる、古めかしい、やがて(すでに?)消えゆく言葉や事象、道具なども集めた事典。知らないものは興味津々にじっくり眺め、知らないけど自分の頭の中でイメージが出来上がっているものは薄目で通り過ぎる。電信柱やマッチが載っていることに、時代の流れをひしひしと感じた。2018/01/21
Shoko
24
図書館。非常に面白く興味深く読みました。幻燈、天の川、鉱石の数々、タバコの葉などなど。「へぇ〜」ということがいっぱいで、とても勉強になりました。私が教科書で見た覚えがあるのは「やまなし」。「クラムボン」って何だろう?と皆んなで考えたなぁ、と懐かしく思い出しました。子供の教科書で宮沢賢治の物語が出てきたら、また借りてみようかな、と思います。 賢治童話をまた読みたくなりました。2017/04/15
みーなんきー
20
図書館の本棚でこの本を見つけた途端、自分の好みと察した!まさに自分が欲していた本だった。宮沢賢治の本の中で昔の道具が出てきても、使い方や、詳しい目的がわからなかったもの、など写真で見せ、その仕組み、使い方まで、詳細に紹介してくれている。大人になった自分でも、初めて知ったようなことが沢山あった。2021/05/23
遠い日
16
賢治作品の難解さを補うものとして、作中に書かれたモノやそのようすを、目から理解すると、世界観を掴みやすいのは確かだ。見たこともない植物や道具を知ると、賢治の作品世界に入り込みやすいだろう。写真、絵とともにわかりやすい解説がいい。わたしは「クラムボン」の解説が楽しかったな。2017/03/05