内容説明
夜の大路で、鬼に拾われた。泣いてばかりいる小鬼に、鬼がくれた鞠だった。ながめていると、いやなことも怖いことも忘れられた。これがあれば、おまえも鬼になれると、いわれたとおりだった。いまでは暗闇も怖くない。いまに、なにもおそれることのない、ほんとうの鬼になる。
著者等紹介
久保田香里[クボタカオリ]
岐阜県に生まれる。『青き竜の伝説』で第3回ジュニア冒険小説大賞・大賞受賞(岩崎書店)。『氷石』(くもん出版)で第38回日本児童文芸新人賞を受賞。長野県在住
十々夜[トトヤ]
ウェブ用イラスト、携帯待ち受け制作など、インターネット上の活動が主。京都市在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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花林糖
17
(図書館本)幼き夏姫と小鬼のお互い気づかなかった恋物語。設定などは良かったけれど期待した程ではなく残念。平安時代に興味を持っている小学5年~中学生に良い感じ。鬼の宝の緑瑠璃の鞠を見てみたい。2019/11/04
izw
14
久保田香里の作品は「氷石」に続いて2作目。京で没落した名家の屋敷に住む姫の周りに残っているのは、女房、女童、下男のみ。京を騒がす夜盗や鬼が関わる物語。ストーリーとしてはちょっと無理があるなあ、とは思いながら、緑瑠璃の鞠がもつ不思議な力や登場人物がもつ明るい雰囲気に魅せられて、楽しく読み進めることができた。2016/09/19
あかつき号
11
初著者。児童書でするりと読めながらも、なかなかに素敵な世界だった。後見のない姫君は、哀れなものだけれど、だれにも顧みられない気安さを、夏姫はちゃっかり楽しんでいて、貴なる血筋とはこうでなくちゃ!と一方的に憧れる。まずは寝殿造、住んでみたい!2017/04/08
いよの缶詰め
5
没落してしまい、後見人がいない夏姫は女房とわけぎ、茂じいの四人で暮らしていた。時々「呼んだ?」と現る、『源氏物語』と芥川龍之介の『六の宮の姫君』。ちょっと、話を変えないで。確かに君達を思い浮かべたのは私だけど。最初はかなりやきもきさせられたが、後半に連れて盛り上がってきた。これ、もし続きがあったらどうなるのだろう。 脳内は競馬の実況みたいになっていた。落ち着け私。2021/05/07
ときわ
4
ちょっと共感できなかった。奇麗な表紙で期待したんだけど。2019/12/10
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