内容説明
俳句は、五・七・五の十七音からなる世界でいちばん短い詩です。母親熊と子ども熊は、人間たちのスポーツが大好き。スポーツの俳句を十四句収録。
著者等紹介
村井康司[ムライコウジ]
1958年、北海道函館生まれ。1993年に作家の小林恭二氏の句会で俳句をはじめる。俳句同人誌「恒信風(こうしんふう)」を1995年に創刊、編集人をつとめる。他に俳句誌「豈(あに)」同人。ジャズの評論も行う
吉田尚令[ヨシダヒサノリ]
1971年、大阪府生まれ。イラストレーター。書籍の装画や挿絵、NHK「みんなのうた」の映像イラストなどをてがける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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へくとぱすかる
55
スポーツまで俳句が入り込むとは、ちょっと意外だったが、でも考えてみたら、正岡子規は大の野球ファンだった。なかはられいこ、佐藤文香、中原道夫、友岡子郷、長谷川素逝、鷹羽狩行、横山白虹などの作品が14句。こうして一句ずつイラストと味わっていくと、俳句の奥の深さがわかるような気がする。鉄棒、プール、海水浴、跳び箱、スキー、スケート、ラグビーなどなど。短いのにしっかりスポーツを表現しているなぁ、と感心するばかり。「野球」とも名乗った子規の句は、なかなか季節感とプレイ風景を微妙に感じさせて、いい句だ。2021/06/16
くり坊
15
春を絵本シリーズ《スポーツ俳句》編。正岡子規の草野球っぽい句が表題作、「蒲公英ヤボールコロゲテ通リケリ」。子規の野球青年振りが描かれていた『ノボさん』の中の「なんぞなもし」の台詞を思い出しつつ。2015/07/05
星野
13
熊の親子が可愛い。そして毎回だけど、俳句のチョイスが絶妙。懐かしい、自然な感覚を呼び起こすような俳句がたくさんあった。「鉄棒に片足かけるとき無敵」「少女みな紺の水着を絞りけり」「目隠の中も目つむる西瓜割」「跳箱の突き手一瞬冬が来る」が好み。2013/05/18
ゆう
7
「鉄棒に片足かけるとき無敵」がお気に入り。2014/07/15
ひなにゃんこ
7
★3.5 俳句絵本3。クスリと笑える句が好きなんだけど、この巻はそういうのがちょっと少なかったかな。 なかはられいこ「鉄棒に片足かけるとき無敵」、中原道夫「目隠の中も目つむる西瓜割」、富安風生「秋晴の運動会をしてゐるよ」、友岡子郷「跳箱の突き手一瞬冬が来る」 が好み。絵(吉田尚令)は、人間達のスポーツの場面に、無表情な熊の親子が登場しているところが、珍妙でおかしみがあった。2011/10/24