出版社内容情報
埼玉県長瀞の、明治時代からある天然氷の氷屋さん一家の、氷づくりを追ったフォトドキュメント。
埼玉県の長瀞では100年以上も前の明治時代から、山間にある池で氷が作られてきた。この氷づくり専用の池は、氷池とよばれる。むかしは何軒もあった氷屋さん(製氷業)は、いまは阿佐美さんの家(阿佐美冷蔵)だけになってしまった。この阿佐美さん一家の、天然氷づくりを追ったフォトドキュメント。
内容説明
天然氷のかき氷は、おいしいのか?真冬の冷たさを真夏までとじこめる貴重な技術の秘密とは?
著者等紹介
細島雅代[ホソジママサヨ]
1957年、神奈川県生まれ。女子美術短期大学ディスプレイデザイン科卒。同校造形専攻科卒。コマーシャルスタジオ勤務をへて独立。1981年、キヤノンサロンにて『インドから』、1986年、コダックフォトサロンで『passage of dream』を開催
伊地知英信[イジチエイシン]
1961年、東京生まれ。北里大学水産学部卒。出版社勤務をへて独立。自然科学書・雑誌・博物館展示の企画と原稿執筆にたずさわる。『メダカのぼうけん』は、平成27年度国語の教科書(学校図書)に採用。日本の凧の会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kawai Hideki
86
読み友さんご紹介。埼玉県の長瀞で天然氷を作る唯一の氷屋さんの写真絵本。天然氷といっても、放ったらかして奇麗な氷が作れるわけもなく、冬の厳しい寒さのなか、氷の上の落ち葉を払い、水の取り入れ口が凍り付かないか点検し、空気が入ってしまった氷を取り除き、雪が積もれば凍り付く前に急いで掃除する。天候とも相談し、雨が降って台無しになる前に、氷を切り出し氷室にしまう。そこで夏までとっておく。その年の最初に採れた美しい透明の氷を手にする、氷屋さんのご両親の嬉しそうな顔がたまらない。天然氷のかき氷、値段が高いのも分かる。2016/07/08
naoっぴ
79
暑い夏に読むのにぴったりの清涼感ある表紙!ですが、中身は天然水の氷がどのようにできるのかを丁寧に追った絵本でした。毎日の落ち葉の管理や天候と相談しながらの採氷、手作業の切り出し、まるで長瀞の冬の自然との二人三脚のような仕事。こんなに大変な作業だったとは驚きです。親から子へ代々続けられ完成された仕事を、これからも是非継いでいってほしいものです。自然の力でゆっくりと育った天然氷のかき氷、美味しさもひとしおでしょうね(*´∀`)2016/08/05
れみ
70
図書館内で読了(2)もうひとつ氷の本。埼玉の阿左美冷蔵での氷作りを詳しく紹介した本。冬の時期にたくさんの手間がかかるのはもちろんだけど良い氷を作るために夏の頃から様々な準備をしているところもすごく興味深く、こうして作られた氷がとても愛おしい存在に思えてくる。阿左美さんが氷作りを教えてくれたお父さんにかき氷を食べさせてあげている写真がすごく良い。2015/07/19
よこたん
54
“よい氷とは、20日くらいかけて、ゆっくりと、あつくなったもの。水のおいしさが、氷に閉じこめられるのだという。” かき氷の恋しい時期に手に取りたかったけれど、むしろ、これからの本だった。天然氷を作る氷屋さんの手間と苦労と誇りを感じる。水がきれいで美味しくて、冬に凍る場所に池が必要。毎日の表面の掃除と、膨張する氷で池が壊れないように管理することが大事。何よりも気候に左右される。気温があがってしまっても、雨も雪もダメ。透明でかたい氷には先人からの知恵と工夫が詰まっている。さくら味のかき氷を、食べてみたいな。2021/09/19
たまきら
47
読み友さんの感想から。写真の美しさにうっとり。表紙のフレイバーはラズベリーだそうです、う~ん、おいしそう。他にもさまざまなかき氷が紹介されていてワクワクしますが、笑顔のみなさんをはじめどの写真も素敵です。氷室の内部の写真がもっと見たかったかなあ。かき氷がどうしても食べたくなっていちやに行きましたが、食べられず。明日リベンジするぞ~!2022/08/07