出版社内容情報
障害をもつ少年ドゥディと文通している,ノア。彼に会いたいノア,会いたくないドゥディ…。友情を描くイスラエル人気作家の代表作。 小学生高学年から
内容説明
小学校五年生の少女ノアは、車イスで養護学校に通う少年ドゥディと文通を始めます。やがて、「会いたい」と書くノアを、自分の姿を見られたくないドゥディは拒絶します。ノアはまた書きます。「ドゥディの家を訪ねてほしくないのね。オーケーです。訪ねません。わたしが会いたいっていうたびにおこるのね。オーケー。もういいません。だけど、それでどうなるかしら?わたしの手紙は、わざとらしくなるはずです。ひとこと書くたびに、ドゥディを傷つけやしないかおこらせやしないかって、十回も迷うから。それでいいの?」明るいノアの率直なことばがドゥディの心を開いていきます。イスラエルの人気作家の代表作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
☆よいこ
70
児童書。文通。11歳のノアは言いたいことはハッキリ言う爽やかな少女。近所の知的障がい者を散歩に誘うボランティア精神があり、お節介だったかもと気遣うこともできる。ノアは先生に誘われて身体障がい者との文通を始める。自分の学校生活や友達のことを楽しく書くノアと、不自由ながら家族と仲良く暮らしていることを書くドゥディは手紙を通して交流を深めていく。ノアはドィディに会いたい。だけどドゥディは自分の姿を見られたくないと拒否する▽同情と思いやりって違うの?会いたいけど会ってがっかりされたらどうする?1999年刊。良本2023/09/30
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
16
小5の少女ノアは、ボランティア活動の一環として、脳性まひの少年ドウディと文通を始めます。ボランティア活動だったはずが、やり取りをするうちどんどん仲良くなり、ノアはドウディに会いたいと伝えます。けれどドウディは自分の姿をみられたくなく拒絶。ノアは素直な気持ちを手紙にしたため送り続けると…。子どもたちの心の強さも感じますが、取り巻く大人たちの対応が素晴らしい。環境が成長を促すんですね。2021/08/25
lovemys
9
ボランティア活動として、脳性麻痺のドゥティと文通を始めるノア。なかなか率直過ぎる手紙に、結構ハラハラしちゃったけど、真っ直ぐに想いを伝え合う二人に、何だか涙が出た。ドゥティに会いたいというノアの気持ちも、会うのが怖いというドゥティの気持ちもよく分かって泣ける。二人の温かいやりとりに、ただ泣けるだけの自分が情けない。色々なことを克服していく二人に、微笑ましい物語だが、二人の優しさに心打たれる物語でもある。思っているよりも子どもたちは強く、思っているよりも心が柔らかくてしなやかだ。家族みんなの信じる心が素敵。2021/09/11
のに
9
ここ1ヶ月の間に数冊の海外の児童書を読んだ。ほとんどの内容は、登場人物の子供に何らかの障害や悩みがある。それを乗り越えることが大きなあらすじだ。もちろん子供達の強さに感動するのだが、その事以外に、私が心に残っているのが、その家族と周囲の大人達の大きな愛とチームワークだ。どんなことがあっても子供を守り愛し認め、勇気を与える。そんな中で自分のことを信じてくれる大人達を目の前に成長する子供達は、強くなれるんだろうなぁ…と思った。そして私もそんな大人になりたいと思った。2019/09/10
ぱせり
9
手紙は正直だ。文通が続くうちに、二人の手紙が少しずつかわっていくのを、感じている。当然、自分にできて相手にできないことがあること。でも、相手にできて自分にできないことや、相手が持っていて自分が持ち得ないものがたくさんたくさん、あること。そういうことがだんだんわかってくることで、手紙が変わってきたのだ、と思う。若い二人の弾力のある友情が眩しい。 2018/04/17