内容説明
「奈々子に」「祝婚歌」「夕焼け」「虹の足」など代表作三十九編を収録。
目次
1 夕焼け(鎮魂歌;母 ほか)
2 虹の足(スキンシップ;山が ほか)
3 夕方かけて(眼・空・恋;或る朝の ほか)
4 漢字喜遊曲(火の子;漢字喜遊曲 ほか)
著者等紹介
吉野弘[ヨシノヒロシ]
詩人。1926年、山形県酒田市に生まれる。1942年、酒田商業学校を卒業。44年に徴兵検査を受けるも入隊せぬまま敗戦を迎える。戦後は石油会社に勤務しながら組合運動に専念する。1953年、同人雑誌「櫂」に参加し、詩人としての活動を始める。読売文学賞の詩歌俳句賞、詩歌文学館賞などを受賞している。静岡県に在住
伊藤英治[イトウエイジ]
1945年、愛媛県に生まれる。編集者。書評新聞「図書新聞」、雑誌「日本児童文学」を経て、編集プロダクション恒人社に所属(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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純子
18
NHKドラマ『この声をきみに』で吉野さんの詩が朗読されて懐かしくなったので。どの詩だった忘れてるんだけど。『奈々子に』とは若いときに出会った。親心ってこういうのなんだと衝撃だった。「お前にあげたいものは/香りのよい健康と/かちとるにむづかしく/はぐくむにむづかしい/自分を愛する心だ。」この詩に出会ってしばらくして、私も親になった。娘は自分を愛しているだろうか。彼女が幼い頃、私たちはけんかばかりだったけれど。「ひとが/ひとでなくなるのは/自分を愛することをやめるときだ」この言葉は、今私自身の胸に刺さる。2017/12/02
kaya
10
こんなにもやさしい目で世界を見ることができたなら… この世はもっと美しく可憐で愛すべきものなのだろう。 人間に言葉があって良かった。人々はバベルの塔で言葉により引き裂かれたけれど、それは文化を与えるためだったのかもしれない。2014/01/24
ハッチ
4
虹の足 眼・空・恋、ぬけぬけと自分を励ますまじめ歌がいい。 「他人を励ますのは、気楽です 自分を励ますのが、大変なんです」 確かに・・・。2014/04/13
履庵
3
大人相手に詩を紹介する機会があったので、吉野弘さんの「祝婚歌」を準備していたのですが、吉野さんの訃報があったばかりなので、予定変更して、「ぬけぬけと自分を励ますまじめ歌」を紹介する。2014/02/15
えいとうっど
1
極めて個人的なお気に入り度合い:★★★★☆4点 美しい言葉に抱かれて眠るのは最高に気持ちいい。『犬とサラリーマン』が好き、共感するなぁ。2020/05/30