内容説明
この巻では、まず『伽婢子』(浅井了意)、『宿直草』(荻田安静)、『諸国百物語』など、江戸のちまたでひろく読まれた怪談集のなかから「蜘蛛の鏡」「小人たちの怪事」「牡丹の灯」「見越入道の怪」などの話を紹介。つづいて、江戸中期、これらの怪奇な話を材料に、人間の葛藤や心理おくゆきを、作者の思いとかさねあわせながら、文学として香り高く描きあげた、上田秋成の『雨月物語』『春雨物語』から、「青頭巾の精霊」「目ひとつの神」を紹介します。小学校高学年以上。
目次
1 あらわれた怪異小説の名人(「百物語」の流行をうけて;「百物語」の夜;浅井了意は流行作家;蜘蛛の鏡;小人たちの怪事;老婆の怪;鬼の谷に落ちた男;牡丹の灯籠;たねは中国の怪談集)
2 「百物語」で商売はんじょう(『曽呂利物語』と『宿直草』;見越入道の怪;猟師と山姫;天井から長い手;『諸国百物語』のこと;きもだめしの報い;こんな顔…;刀をとられた若ざむらい;酔っぱらいのばけもの退治;「百物語」で商売はんじょう;浪人と蛇酒;霞谷のほら穴)
3 『雨月物語』と『春雨物語』(上田秋成のこと;「青頭巾」の話;黄金の精霊;目ひとつの神・一目連)


 
              


