内容説明
『平家物語』や『源平盛衰記』に描かれた源平のたたかいの物語は、琵琶法師によって語りつがれていた。壇の浦にしずんだ平家の人たちの霊をなぐさめるために建てられた赤間が関の阿弥陀寺に身を寄せる盲目の琵琶法師、芳一のもとに、ある晩、よろいを着けた武者が迎えにきた…。小泉八雲の『怪談』におさめられた「耳なし芳一の話」をはじめ、源氏と平家のなりたちから源平のたたかい鎌倉時代のできごと、南北朝の抗争、そして足利幕府の時代にいたる日本の中世の怪奇なはなしを、『平家物語』『太平記』などをもとに紹介します。小学校高学年以上。
目次
1 たたりつづけた平家の怨霊(琵琶法師「耳なし芳一の話」;むかえにきたさむらい;鬼火のもえる墓のまえで;ちぎられた耳;幽霊におびえたハーンの少年時代 ほか)
2 『太平記』が語る乱世の怨霊たち(天下大乱のきざし;講釈師を生みだした動乱の物語;後醍醐天皇と楠木正成;「妖霊星を見たい」というばけもの;尊氏と義貞のはたらき ほか)