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出版社内容情報
心臓の悪いコーニロさんが倒れた時，何かが胸の上にとまりました。それは動物の死骸を食べて生きる“シデムシ”で…。他３編収録。 小学生高学年から
内容説明
心臓の悪いコーニロさんが倒れて、立ちあがれないでいると、なにかが胸の上にとまりました。シデムシでした。シデムシは、動物の死骸をたべながら生きていく昆虫です…。標題作のダーレス「シデムシの歌」の他に、ボーモント「夢を見るかも」、フレムリン「２階の部屋」、ロレンス「木馬に乗る少年」の４編を収録した、恐怖・怪奇小説の珠玉集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
63
子供の時に読んだ印象的な話というのは一生尾を引くと思う。本作は子供向けに訳された海外ホラーなのだが、収録されている話がどれも名作ばかり。冒頭の表題作はダーレスから。生理的に嫌な気分になった所で、次の「アパートの空き部屋」、これ子供一人で寝れなくなるな。で寝入った所で「もしも夢を見たら…」と夢の中にも逃げ場が無くなり、最後に親を疑わせるような「木馬に乗る少年」で〆られる。どれも子供を本気で怖がらせようという意思に溢れ、その為大人が読んでも二読三読に耐えれる出来。幼少時に読むと世界が豊かになるだろうなあ。2024/05/25
藤月はな（灯れ松明の火）
58
読友さんがこの本の感想を挙げてくれたおかげで「この本、図書館にあったけど、昔は読めなかった本だ」と気付く事が出来ました。読む機会を作ってくださり、多謝。蟲嫌いには酷な表題作の子供たちはコーニロ氏にとって不気味だっただろう。しかし、子供は残酷なユーモアを行使するものである。「アパートの空き部屋」はサスペンスフルな筆致に手に汗握ってしまう。だが、捻じれた時空と子供を思い遣る母親の愛によって救済は生まれていた事に安堵した。逆に「木馬に乗る少年」は救いがない。恐らく、呪いの言葉を掛けた母親はその献身を無駄にする。2024/08/04
あたびー
41
順不同になりましたが、若年層向けの怪奇小説集、これが一巻目です。とっつきにダーレス「シデムシの歌」が来るあたりで虫嫌いの子は逃げていきそうです。フレムリン「アパートの空き部屋」は古いアパートの物音と謎の少年に脅かされる女性が母性本能に助けられるという物語。ボーモント「もしも夢を見たら」は小粋なモダンホラーと言っても良い作品。DHロレンスがシンシア・アスキスのアンソロジーのために書き下ろしたという「木馬に乗る少年」は小金持ちの不相応な生活の犠牲になる「運の良い」少年。2025/03/31
鷺@みんさー
32
何が怖いって表紙が一番怖い。中のイラストは結構抽象画風味だけど、表紙で虫のお腹側とかリアルに描かんでええねんで(>_<) そしてやはりチョイスが上手いなと思わせる。どれも直接的なグロ描写や殺人などは無いものの、短編の妙味が味わえて良い。「もしも夢を見たら…」が、完成度高くて、好み。子どもにはトラウマになるよね。私も幼い頃こんな妄想したことあるわ。2025/06/28
くさてる
25
読友さんの感想で興味を持った恐怖アンソロジーのシリーズ。児童向けではありますが、内容はなかなかのハイレベルで、定番の有名作以外にも掘り出し物が色々と。既読ではボーモント、未読では、D・H・ロレンスの作が良かったです。解説もしっかりしていて、これは良いシリーズ。読友さんに感謝です。2024/09/07
