感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あむ
4
今年の課題図書「2週間でテーマに沿った本を一冊読む」の1回目のテーマは「学校で読んだ本」だったので、小6の国語で読んだ小川未明の「野ばら」を読み返すことにしました。「野ばら」が収録されている本書を手にとって他の収録作品と合わせて読みましたが、小泉八雲の講義を受けたり、ロシア文学にも造詣が深いだけあって、影響が見られるような気もします。西洋的なロマンチックさと和の雰囲気が合わさった何とも綺羅綺羅しい文章の中にある、優しく、時に物悲しい雰囲気がとても好きです。読者に想像の余地を持たせる終わり方も素敵ですね。2017/01/11
銀鈴
1
とても美しい日本語。情景描写はどれも美しいが、特に月夜の表現が秀逸。老舗和菓子店の飴玉のような、品のある透明感と甘さがあります。人間の、逃げられない寂しさや愚かしさが、とても静かに表現されているのも素敵。個人的には、宮沢賢治より小川未明!2013/09/28
梅干し夫人
0
なんて美しく、切ないお話の数々。心が洗われるようでした。2015/05/21
死の舞踏
0
母人魚は人間が仏のように慈悲深いと信じていた。人魚の獣性に嫌気がさしていた。娘人魚は蝋燭売りの老夫婦の元にやられた。娘人魚は老夫婦への恩返しをし続ける毎日で北の海を恋しく思っていた。作者は人魚の娘を可哀想な娘と書いている。娘人魚は売られた。人間は金に弱いのである。娘が残した真赤に塗られた蝋燭は不吉な呪いとなりとうとう村を滅ぼした。呪いの蝋燭を買いに来た髪の濡れた女は母人魚であろう。怖い昔話。2014/02/24
桜夜のえる
0
人魚の純粋さと人間の醜さが対比になって、またちょっとファンタジックでもあり流石名作だった2020/09/29