感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヒロシです
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「女は自分を傷つけた男は許せるが、自分のために犠牲的な行いをした男のことは許せないんだ」というストリックランドの一節がある。これこそ、「人生は全て暗い森林である」と言ったモームならではの解釈か?2017/11/10
ななこ
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『月と6ペンス』。月は主人公がとりつかれた狂気のような芸術創造の情熱を象徴し、6ペンスは月とは逆に主人公が捨て去った平凡な社会生活や一般的な慣習を意味するらしい。2011/04/27
菊川ねこじ
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月と6ペンス 加藤輝男訳1975年第一刷で、少年少女を意識された翻訳を感じるが、読みやすく、惨酷な表現がない。「まだ若いのだから2,3年もたてば今のいっさいの不幸もある喜びさえ交えた悲しみとして思い返せるときがくるだろう」 「ぼくの欠点は相手がどんなにだらくした人間であろうともそのつきあいをひそかに喜ぶところだ」 「ぼくの心にはたしかにストリックランドを嫌いぬくものがあった。それと並んで彼が事件を起こした原因を知りたいという好奇心があった」2022/07/11
本の紙魚
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邦訳は原作をかなり省略したとあったので、次は原文を読んでみようと思う。ゴーガンをモデルとして書かれたそうだが、紛れもなくイギリス人の小説だと思う。芸術至上主義の主人公は自分勝手だが、ただ一つ良い点は妻子と故郷からすっぱり縁を切って芸術の道に入ったこと。実際は家族と地元に支えられているくせに不遜な画家も結構いるからね。それにしても、英国にはこじんまりしたイギリス家庭とその女性に否定的なものが多い気がするのはなぜだろう?砲弾と戦艦で世界を植民地化し殺戮を繰り返したのに、英国以外に理想の地を求める不思議さよ…。2021/01/14