内容説明
創世記2‐3章のテーマは人類“起源”の叙述なのか?ゲノム科学の時代に神を創造主として仰ぐ。
目次
創世記は古代文書である
古代世界と旧約聖書において、創造活動の焦点は役割と機能を定めて秩序を確立することである
創世記1章は機能的起源の叙述であり、物質的な起源ではない
創世記1章において、神は「宇宙」を聖なる空間として整えた
神が機能的秩序を確立したとき、それを「良し」とされた
創世記1章から5章において、ヘブル語「アダム」の用法には意味の幅がある
第二の創造記事は第一の創造の後に続くもので、六日目を別の観点から語り直したものではない
「大地のちりで形造った」「あばら骨を女に造り上げた」とは物質的な起源ではなく、原型的主張である
古代中東文献における人間の形成は原型的だから、イスラエル人が同じように考えても不思議ではない
新約聖書はアダムとエバに生物学的先祖ではなく原型として関心を持っている
聖書の関心が原型についてでも、アダムとエバは現実の過去に実在した人物である
アダムは聖なる空間で助け手エバと共に祭司に任じられている
「園」は古代中東において聖なる空間を示す表象であり、「木」は生命と知恵の源として神に関連している
「蛇」は非秩序の領域に由来し、無秩序を誘発する混沌の生き物と捉えられる
アダムとエバは自らを秩序の中心、知恵の源とし、それにより「宇宙」に無秩序を招来した
私たちは現在、非秩序、秩序、無秩序の混在した世界に生きている
全人類が罪と死に服しているのは世界の無秩序ゆえであり、遺伝によるのではない
イエスは無秩序を解決し、秩序を完成させるための神の計画の要石である
使徒パウロは「宇宙」への罪の影響に関心を払うためにアダムを用いている。人間への影響ではなく、人類の起源については何も述べていない
全人類がアダムとエバの子孫であるかは本質的なことではない
人間と動物との間に物質的な連続性があるとしても、人間は独自の生き物であり神の特別な被造物と捉えられる
著者等紹介
ウォルトン,ジョン・H.[ウォルトン,ジョンH.] [Walton,John H.]
米・ホイートン大学の旧約学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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