感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
259
文はメロディー・カールソン、スティーブ・ビョークマンの絵。巻末に作者紹介がないが、二人の姓からはスウェーデン系アメリカ人かと思われる。出版社はイリノイなので、原文は英語。お話は『マタイによる福音書』にある「迷える子羊」の逸話のほぼそのまま。絵はそれを現代に置き換えたもの。水彩画によるほのぼの系の絵。背景の感じからはヨーロッパの田舎を思わせる。タイトルと羊たちの表情(もっぱら目の表現で表される)がなかなかいい。2024/01/27
やすらぎ
153
きみのかわりはどこにもいない。そんな言葉をかけられたら、みんなはどうするのだろう。100頭すべてに愛を込めて名前をつけている羊飼いの青年の名前はあえて物語に記されていない。夕暮れ時の牧場にいるはずのワンダーが見つからない。君はなぜ孤独を彷徨っていたのだろう。寂しさを経て闇から無事に救われて、愛はより深まったけれど。人は抱える数が増えるほど、ひとつひとつへの想いが薄れていくもの。それなのに、彼は愛に尽くしている。大丈夫、ぼくが守ってあげるから、みんな愛しているから、みんな大切だから。慈愛の言葉は非常に尊い。2024/12/03
tera。
28
新約聖書「マタイの福音書」を題材にした絵本。100匹の羊を連れた羊飼いが家に帰ると、一匹足りません。他の羊を家に残し、一人夜の闇へと飛び出しますが‥。100匹も居るんだから一匹くらい‥と、諦めない羊飼いが素晴らしい。私は大勢の中から『自分』を見付けてもらえるような、何かを持っているだろうか。2014/01/01
ぴょん
12
どんなにたくさんいても、個人個人違う。一人くらいいなくなってもいい。ということではなく、あなたでなくてはダメ。ということ。素敵な言葉に感動する2015/12/23
はる
10
牧童の少年は最後の一頭の子羊を夜中探して、やっとこさ見つけた時朝陽が額に当たっていたことをずっと憶えているだろう。必死で探したことが「きみはたいせつ」だという言葉のイメージ。どう行動するかなんだよね。 絵はなだらかな丘陵の草原を透明水彩とガッシュで描かれています。2022/02/06