感想・レビュー
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きゃんたか
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日本に住む何となくの姿を纏った幽霊たち。山川草木の神々として、仏として、祖先の怨霊死霊として、水子や妖怪として、明瞭な形も無いまま僕らの世界を取り巻いている。天から迎えて海へ山へ帰ったはずなのに、家の神棚や仏壇に祀られてたり…。焼死体から脱け出したはずなのに、位牌の中に移されてたり、公権力や儀礼の勝手で寺社仏閣を行ったり来たり…。何となく可哀想だから地獄をこじ開け迎えたり…。何となく洒落ているからクリスマスを取り入れたり…。何となく受けないから本家の宗旨を作り替えたり…。そりゃあもう、節操がないのである。2017/06/29