出版社内容情報
《内容》 精神科身体療法の代表的な治療法であるECT(electroconvulsive therapy、電気けいれん療法)は、薬物治療抵抗性の精神疾患が問題となるなかで、世界的に再評価されている。本書では、修正型ECTを中心に、より安全にECTを施行するための実践的な記述に加え、ECTの生理学的基礎やインフォームド・コンセントの重要性についても詳述した。精神科臨床医必携の書。 《目次》 目次第1章 ECTの歴史と再評価 1治療アルゴリズムとECT………………1ECTの歴史………………5 けいれん療法の歴史 5 ECTの誕生 6 日本でのECT 6 修正型ECTの歴史 7 片側性ECTとパルス波治療器の導入 7 ECTの歴史から何を学ぶか 8ECTの現況………………8 わが国の現状 8 欧米でのECTの現状 11 わが国のECTの問題点 13第2章 ECTの臨床 15症例………………15 迅速な治療が要求される例 15 薬物治療抵抗例 16適応疾患………………17 うつ病 17 躁病 17 精神分裂病 18 他の精神疾患 18 神経疾患その他 18 一次選択治療としてのECT 19副作用………………19 ECTに絶対的禁忌はあるか? 19 死亡例 19 他の副作用 20 ECTは脳を損傷するか? 22第3章 ECTの基礎 25電気刺激の基礎………………25 波形 25 電流と電圧 26 インピーダンス 26 電気量とエネルギー 27ECTの生理学………………29 発作の全般化と脳波 29 発作時の脳血流の変化 31 発作時の心血管反応 32 その他 33ECTの作用機序………………34 抗うつ作用との関連 34 抗けいれん作用との関連 36 King and Liston(1990)の仮説 37 神経回路網との関連 37第4章 ECTの実際 41準備………………41 治療室 41 治療台 41 救急カート 42 麻酔器 43 心電図・血圧・脈拍モニター 43 パルスオキシメーター 43 脳波 43 ECT治療器 44 刺激電極(電撃導子) 44 バイトブロック 44 吸引器 45 電気的除細動器 45術前検査………………45 病歴と診察 45 臨床検査 46 インフォームド・コンセント 47前処置………………47 絶飲食 47 前投薬 47 投与中薬物の整理 47モニタリング………………49 循環動態 49 けいれん発作 50 筋弛緩 51麻酔………………51 方法 51 使用薬品 52通電方法………………54 電極の配置 54 通電条件 55 刺激部位の準備 56 発作モニター 56 治療の有効性の判断 57 再刺激 58治療手順………………58 病棟で 58 治療室入室後 58 再び病棟で 61記録の保存………………61治療回数………………61 治療頻度 61 multiple monitored ECT(MMECT) 61 治療総数 63特別な身体疾患患者のECT………………63 循環器疾患 63 糖尿病 64 喘息 64 てんかん 64 頭部外傷 64 パーキンソン病 64 脳血管障害 64 悪性症候群 65 骨粗鬆症 65 妊娠 65 緑内障 65 老齢 65 その他 65第5章 ECTの倫理的問題と今後の課題 67説明と同意………………67 同意の条件 68 説明内容 68 入院形態との関連 68 同意を得られない場合の説明と対応 70 若年者に対するECT 71医療過誤………………71維持療法………………72 うつ病 73 精神分裂病 74 外来ECTの試み 74認知障害対策………………76教育と啓蒙活動………………76 ECTの同意書 79第6章 ECTの新たな展開 81パルス波治療器の使用経験………………81 治療器の特徴 81 操作方法 82 けいれん閾値の上昇 84 副作用 84経頭蓋磁気刺激………………85 うつ病に対する効果 86 その他の疾患に対する効果 86 副作用 86 作用機序 87迷走神経刺激………………88 VNSの実際 88 難治性てんかんに対するVNS 88 VNSの作用機序 89 難治性うつ病に対するVNS 89精神疾患治療におけるECTとrTMSの位置づけ………………89索引………………95
目次
第1章 ECTの歴史と再評価
第2章 ECTの臨床
第3章 ECTの基礎
第4章 ECTの実際
第5章 ECTの倫理的問題と今後の課題
第6章 ECTの新たな展開