出版社内容情報
豊富な症例提示を通して精神科医が身につけるべき思考プロセスや臨床上の着眼点について解説し、その中に精神医療・精神医学に関する著者のフィロソフィーを盛り込んだ一冊。精神科全般に精通する臨床家として有名な著者の長年の臨床経験を凝縮した、ライフワーク的な著作と内容は、精神医学の初学者からベテランまで、どのレベルの読者が読んでも得るところがあるであろう。
兼本 浩祐[カネモト コウスケ]
著・文・その他
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Asakura Arata
4
てんかんが専門の先生の優しい精神医学書。あるあるケースが多くて、大学勤務の時の苦労が蘇った。特にてんかんを専門にしていると、どうしても他科との連携は多くなるため、双方にいろんな気持ちが出てくる。そこをいかにうまく進めていくかというのがキモ。クリニックやっていても勉強になるところがあった。最後の小精神薬理学は難しかった。2018/08/31
文狸
2
ベテラン精神科医の著者が、診療するうえでどのような態度を心がけているか、症例をもとに詳らかにしていく。症例が短いチャンクの域を出ないものであるものの、ひとつひとつが豊かで臨床的にも面白い。当たり前だが普通に身体科をしているのとマインドセットも違えばタイムスパンも違う。著者のバックグラウンドもあるかもしれないが、精神科をやるには神経内科を通ってからのほうがいいのかと思わされる事例が多々ある。地味に、間に挿入された「意識障害を記載する精神科用語」とか「認知行動療法」とかのコラムが簡潔にまとまっていてよい。2022/06/03