出版社内容情報
地域医療構想の目的は病床削減ではなく、医療を通して地域の安心を保障することだと著者は説く。2015年3月に「地域医療構想策定ガイドライン」が公表され、構想圏域ごとに地区医師会の代表者や保険者を含めた関係者の合議による地域医療構想の策定が求められた。この前例のない事態に戸惑う関係者の指南書として、本書は地域医療構想の背景となる考え方、立案手順、データの活用方法や調整会議の具体的な運用方法を示した。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
coldsurgeon
5
地域医療構想調整会議が揺れている。病床機能別病床数の適正化が会議の主目的になり、急性期>回復期>慢性期という医療の格に関するヒエラルキー意識を維持しながら、自己利益だけを追及していけば、地域そのものが崩壊する。医療と介護が保障された住を如何に整備するかが重要であり、地域医療構想策定の目的は、地域の安心の保証であろう。日本の患者や要介護高齢者は保険料や税金、自己負担として払った以上のサービスを受けている。不足部分を補うのは、医療・介護職の長い労働時間と、赤字国債を引き受ける将来の世代である。2016/01/19