内容説明
病期別に薬物・身体療法、心理社会的療法を統合して提示した、包括的かつ実践的な治療ガイドライン。治療オプションの推奨度(第2章)、文献エビデンスレベルを明示。新たに市販された新規抗精神病薬の詳細情報、認知行動療法、J‐ACT、早期精神病など、最新のトピックスが満載。
目次
第1章 疾患の概念(概念;疫学;臨床症状;経過と転帰)
第2章 治療計画の策定(精神医学的管理;急性期治療;回復期治療;安定期治療)
第3章 治療法の解説(薬物・身体療法;心理社会的療法)
第4章 その他の重要な問題(自殺;身体合併症;早期精神病)
第5章 今後の改訂と研究成果への期待
著者等紹介
佐藤光源[サトウミツモト]
東北大学名誉教授/東北福祉大学大学院教授・精神医学
丹羽真一[ニワシンイチ]
福島県立医科大学教授・神経精神医学
井上新平[イノウエシンペイ]
高知大学理事・研究担当(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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夜長月🌙@読書会10周年
41
総説によると統合失調症患者の実に10%もが自殺する。うつ病との違いは後で振り返ってみても予見できるような症状が見られていない場合が多いことである。社会的な問題がない患者が突然自殺する。その理由が理解できないことがある。一つの特異的なパターンとして生と死の境界がどうも一般人とは異なるとしか表現できない。死に対する感覚が異なっていると自殺は容易に起こりえる。2016/11/28
臨床心理士 いるかくん
29
3章の「心理社会的療法」から最後まで読む。統合失調症で高齢、なおかつ介護保険や障害福祉といった制度やサービスを利用しながら在宅生活を営む人は今後確実に増えていく。精神科の医師はもとより看護師、ケアマネジャー、精神保健福祉士、地位包括支援センターの方々等にもぜひ読んでもらいたい。専門書だが、随所に上記の人々が地域で生活するための支援の在り方について示唆に溢れているはずである。2014/04/13