農を棄てたこの国に明日はない

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  • サイズ B6判/高さ 19cm
  • 商品コード 9784259547615
  • NDC分類 610.4
  • Cコード C0095

出版社内容情報

 野坂氏が直木賞受賞の代表作「火垂るの墓」をはじめ、多くの作品で戦争の悲惨さを訴えてきたのは、「二度と飢えた子供の顔は見たくない」という壮絶な実体験に基づく思いから。また、「飢え」に通じる「食」や「農業」についても数多く言及してきました。
 本書では、野坂氏が生前に発表したエッセーを再録し、2015年に月刊誌『家の光』で連載され、亡くなる数日前まで執筆を続けた「手紙談義」(山下惣一氏との対談)を収録しています。

第1章 飢えと戦争
プレイボーイの子守歌
八月十五日の風景
また八月十五日がやってくる
続・プレイボーイの子守歌 飢餓地獄からの生還
僕の家族は焼き殺された ほか
第2章 日本の農業と食
堕ち滅びよ驕奢の時代―出稼者たち
大日本棄農帝国に未来はない
先祖伝来の食が日本を救う
飲み水の不味さに愕然 棄農救国は必ず罰を受ける
子供たちから小鳥や昆虫を奪って
いつか必ず来る飢えというものを真剣に考えたい ほか
第3章 手紙談義(山下惣一氏との対談)
人間にとって農とは何か、懲りずに考え続けている。
国民は飢えを忘れ、農を営む人の誇りが失われ始めた。
米離れが続けば、やがて日本人は飢えるだろう。
苦しいこと、辛いことが先か。楽しいこと、好きなことが先か。
なぜか、みんな遠慮がちに生きている。
人間など、インチキなものである。だが、風まかせ、人まかせ過ぎた。
まさか、まさか「昨日、今日」とは思っていませんでした。 ほか


野坂昭如[ノサカアキユキ]
早大第一文学部仏文科中退。「火垂るの墓」(直木賞)「エロ事師たち」「骨餓身峠死人葛」「マリリン・モンロー・ノー・リターン」「赫突たる逆光」「同心円」(吉川英治文学賞)「文壇」(泉鏡花文学賞)などの小説家、「エロトピア」「我が闘争 こけつまろびつ闇を撃つ」(講談社エッセイ賞)などのコラムニスト、「おもちゃのチャチャチャ」(日本レコード大賞童謡賞)「ハトヤの唄」などの作詞家、「黒の舟歌」などの歌手、元参議院議員、衆議院選挙新潟三区立候補者、伝永井荷風作「四畳半襖の下張」を雑誌に掲載した編集長(わいせつ文書販売で有罪判決)、討論番組やCMに出演するテレビタレント等々、多面的な活躍で知られた。2003年5月脳梗塞で倒れてのちも作家活動を続け、月刊誌『家の光』では山下惣一氏とともに「手紙談義」の連載を行っていた。

内容説明

「いざとなったら金ではない。食いもののある国が生き残るのだ」戦中・戦後の“飢え”を生きた最後の無頼派の真のラストメッセージ。

目次

第1章 日本人よ飢えを忘れるな(「思考停止」70年命の危機―敗戦から学べ;ひどい世の中じゃこわい世の中じゃ;都会よ飢えを忘れるな ほか)
第2章 農業問題は、消費者がまず考えなければならない(添加物だらけの今―食の根本どこへ;飢餓懐郷;真の国際化は美田を潰さない ほか)
第3章 野坂昭如×山下惣一手紙談義―農を棄てたこの国に明日はない(まずはご挨拶申しあげます。;人間にとって農とは何か、懲りずに考え続けている。;飽食の時代とは農業蔑視の時代です。 ほか)

著者等紹介

野坂昭如[ノサカアキユキ]
1930年生まれ。早稲田大学第一文学部仏文科在籍中から、CMソング、コント台本などを書き始める。1963年「おもちゃのチャチャチャ」でレコード大賞作詞賞受賞。コラムニストなどとしても活躍しながら、『エロ事師たち』で小説家デビュー。1968年「火垂るの墓」「アメリカひじき」で直木賞受賞。1983年参議院議員当選。テレビの討論番組やCMでも活躍。1985年『我が闘争―こけつまろびつ闇を撃つ』で講談社エッセイ賞受賞、1997年に『同心円』で吉川英治文学賞受賞、2002年に『文壇』およびそれに至る文業で泉鏡花文学賞を受賞。2015年12月9日逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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日向夏

3
火垂るの墓で有名な野坂昭如さんがこんなに農業や米に対する思いが熱い人だとは知らなかった。飢えを経験した人から見たら、毎日消費期限で捨てられる商品や宴会での残飯など、とんでもない国になったと思うのは無理もない。警告を発して亡くなってしまったのは残念。野坂さんの叫びは日本人に届くのだろうか。2017/06/22

bouke

0
野坂昭如氏の農への思いを一冊にまとめた本.これはひょっとして一生置いておくべき本かもしれない.僕も33歳で田舎に引っ越した.農業をするためだった.が,親と仲がうまく行かずに離れてしまった.が,田植え,稲刈りには参加している.あとは,畑が欲しい.自分で作ったきゅうり,トマト,ナス,ピーマンの美味さは格別である.というよりも農をすることは贅沢なことだ.なので贅沢にはお金がかかる.仕方がない.利益を求める事は不可能なので農と仕事は別である.自分の食べる分を大事に作る.それで良し.利益は求めない.2018/10/04

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