内容説明
二十一世紀中に予想される食・環境・医療の問題の解決につながる画期的な成果と称えられたイネゲノム(イネの全遺伝子情報)の解読。日本がリードしたこの解読で、中心人物として活躍したDNA研究の世界的権威が、現代日本人に送るメッセージ。
目次
序章 現代日本の食に思う(飢えを忘れてしまった日本人;ダイエット被害に思う ほか)
第1章 驚きに満ちた遺伝子の世界(三十八億年の記憶がインプットされた生命;生命の神秘を呼び覚ます四つの遺伝子暗号 ほか)
第2章 世界が虎視眈々とねらうゲノムをとり巻く現在(ゲノムは二十一世紀の宝の山;ゲノムはプロメテウスの第四の火となるのか? ほか)
第3章 コメの命運を懸ける日本のイネゲノム解析プロジェクト(ホラ吹き放談会から生まれたイネゲノム計画;競馬ファンに支えられた第一期イネゲノム・プロジェクト ほか)
第4章 コメと日本人―イネゲノムの解読がもたらすもの(世界にますます広がるコメ;日本人の洋食礼讃と和食卑下 ほか)
著者等紹介
村上和雄[ムラカミカズオ]
1936年、奈良県に生まれる。京都大学大学院博士課程修了(農芸化学)。米国オレゴン医科大学研究員、京都大学農学部助手、米国バンダービルド大学医学部助教授を経て、78年より筑波大学応用生物化学系教授となり、遺伝子の研究に取り組む。83年、高血圧の原因となる酵素「レニン」の遺伝子解読に成功し、世界的な注目を集めた。96年、日本学士院賞を受賞。現在は、筑波大学名誉教授、国際科学振興財団理事
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