内容説明
本書は平成14年度アジア経済研究所開発研究部研究会「開発途上国の個別性と金融制度」の1年間の研究成果をとりまとめたものである。金融のグローバル化という観点から途上国の金融・経済問題を俯瞰することを試みた。この広範なテーマを分析するにあたって、金融グローバル化の進展とその影響、グローバル化への途上国の対応、そして通貨・金融危機への対応の三つに大きく問題を区分けし、議論を展開した。
目次
金融グローバル化と途上国
第1部 金融グローバル化の進展とその影響(インドシナ3国における「ドル化」と金融システムの発展;アジア金融危機のマクロ・ダイナミクス;アジア経済のグローバル化と経済変動―流動性の相互保有が与える影響 ほか)
第2部 グローバル化への対応(政府‐企業間契約の変化と企業価値―金融契約論から中国の国有企業改革を考える;形成期の証券市場と企業の市場参加―金融危機前後のタイ証券市場の評価;韓国のベンチャー振興政策―リアル・オプションによる分析 ほか)
第3部 危機への対応(ソブリン債務再編問題―新興市場国危機に対するセーフティネットはどうあるべきか;金融システム再構築と銀行業の効率性―タイ、マレーシア地場商業銀行の効率性の推計;グローバル化と金融危機への対応―ASEAN3カ国の経験)
著者等紹介
国宗浩三[クニムネコウゾウ]
アジア経済研究所海外調査員(在ワシントンD.C.)
久保公二[クボコウジ]
アジア経済研究所開発研究センター国際経済研究グループ
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。