内容説明
本書は、ポスト輸入代替工業化期におけるラテンアメリカの生産システムについて、さまざまな側面での変革の動きを追い、今後の方向を展望し、産業の持続的発展のために必要な政策手段を示している。1998年度にアジア経済研究所が実施した「ラテンアメリカの産業発展―新たなパラダイムの模索」研究会の成果である。
目次
序章 世紀転換期の産業変革―新たなラテンアメリカ・モデルを求めて
第1章 企業体制の変容―「三者同盟」モデルの消滅とコスモポリタンな企業社会の出現
第2章 生産方式の発展と取引関係の変化―ブラジル自動車産業における競争優位の確立過程と多国籍企業
第3章 クラスタリング―中小企業の生き残り戦略かそれとも発展のためのオールタナティブか
第4章 非伝統農産物輸出と持続的発展―中米農業の復活と国際資本の支配
第5章 雇用関係の柔軟化―ポスト・ポピュリズムの社会経済パラダイムを求めて
第6章 知識創造とイノベーション
第7章 産業発展と金融システム―新経済自由主義下における課題
第8章 経済自由化の進展と政府・ビジネス関係の変化―ベネズエラ・コロンビアを中心に
第9章 開発と市民社会―ブラジルにみる新たな開発の流れ