感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
aki
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日本マンガ史上随一の傑作「ガラス玉」を含む短編集。ぜひ読んでほしい。寡作な作家だが、この一作だけで燦然と輝いている(他の作品もハイレベルだけどね)。神様、仏様、稲尾様のレベル。シュールさでは同じく『COM』に掲載された、つげ義春の「ねじ式」と一二を争う感じ。先日、読んだ吾妻ひでおの青春マンガ『地を這う魚』に、このお二方が登場しており、懐かしゅうて涙が出そうになりました(出なかったんかい)。『COM』所収作品では萩尾望都の「小夜の縫うゆかた」とあわせてベスト3。2021/01/22
龍國竣/リュウゴク
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黒い作品。狂気の沙汰とも言える研ぎ澄まされた感覚と、虚ろに呟かれる台詞とが、画面をひたすら、黒くする。それでも塗りつぶすことはできなくて、最後に残った場所が作者の心なのだろう。それは崩壊間際まで追い詰められる。その緊迫感がこの本の完成度を高める。 2012/09/22
おひゃべりのナオ@【花飛】ヤオイは三月の異名にあらず
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やっと届いた。2014/11/09
へぶぶ
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予備知識無しでしたが読めて本当に良かったです。内容こそ違いますが、自分の中では女性版つげ義春に。お二方とも筆を置いてしまっていますし…切ない 絵もお話も好みでした2011/05/28
おとむらい
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再読。詩だと思った。漫画全体の言葉が不足し、絵の迫力に圧倒されたかと思うと堰を切ったかの様に長文が流れる、ピグマリオンの言葉の喋れない主人公と重なった。赤い蔓草に一瞬出てくるエーリクは反出生主義者のような事を言う、とても示唆的で気になった。不在や喪失を求め続けたり、決められた死への間の時間が描かれている。〝北海道は少なくともひとりの天才を、雪の中にかかえているのだ。〟に終わる萩尾望都の解説が素晴らしかった。クラクラとくらいますね、ちくまさん文庫化しましょう!2024/04/11